2013年11月28日木曜日

【演奏会告知】 越の風2013

この「越の風」は、新潟に縁のある作曲家が集まって、新曲を披露する演奏会です。
チラシやポスターも演奏者ではなく作曲者の写真がメインになっています。

今回この演奏会で、藝大の先輩である小西奈雅子先生の曲を演奏させていただきます。

「雪 ー箏と唄のためのー」


今でも敬愛されている越後の僧侶良寛が詠んだ、雪の和歌三首が歌詞になっています。

このような五線譜を・・・

箏の糸譜にして・・・


現代音楽は普段あまり耳にする事がなかったので、最初はちょっととまどいました。唄の音をとるのも難しかったですね。
しかし、練習していくうちに、何とも心地よい歌の旋律と配置された一つ一つの音がなんとも良く、小西ワールドにどっぷりと浸かっていきます。

歌詞は以下の三首です。

いづくより 夜の夢路を たどり来(こ)し み山はいまだ 雪の深きに
(弟の由之は、夢の中で行き通う道をどう辿ってやって来たのであろうか。周りの山はまだこんなに深い雪なのに。)

今よりは つぎて白雪 積もるらし 道踏みわけて 誰(たれ)か訪ふ(とう)べき
(これからは毎日続けて白雪が積もるのだろうな、 雪道を踏み分けてまで誰がこんな山中の庵にまで訪ねてきてくれるだろうか。)

あは(わ)雪の 中に立ちたる 三千大世界(みちおおち) またその中に あは(わ)雪ぞ降る
(国上山の庵にいる私の目の前には、あわ雪がしんしんと降り続いている。その中に三千大千世界が視えた。その中の一つ一つの世界にもあわ雪が降り続いていることだ。)




この和歌と箏の音色と邦楽の唄、それが現代の作曲家の手にかかるとどうなるのか。お楽しみに!

小西先生のプロフィールです。
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。同大学院修了。カリフォルニア大学大学院留学。全日本合唱連盟課題曲コンクール第1位。作品は国内外で多く演奏されている。1981年日本女性作曲家連盟を設立。92年まで代表を務める。作品には、オーケストラ、室内楽、独奏曲、歌曲、合唱曲、邦楽器作品があり、楽譜、CDも多数出している。この他にも新潟のサロンコンサート、ロビーコンサートを定着させた「ノントロッポにいがた」の10年間の活動や、夏の音楽祭「音楽浴」を12年間企画運営では、若い音楽家の育成につとめた。また、95年から10年間開催した子供達のためのコンサートは高く評価された。2006年新潟県出身・在住の演奏家で「新潟ARS  NOVA」を結成し、新潟県内での演奏活動を展開中。新潟ARS  NOVA代表、日本作曲家協議会会員。


全9曲で、ほとんどが今回初演のものばかりです。新しいものを創造していく活動に参加する事ができて、とても幸せです。ただ、初演というのは緊張します。



越の風2013 
ロシア・ウラジオストクの作品を招待して

日時:平成25年11月30日(土) 午後6時半開演
場所:スペースY 新潟市中央区東万代町1-30-7F ヤマハミュージックリテイリング新潟店内
料金:2,000円(当日2,500円)

プレイガイド
ヤマハミュージックリテイリング新潟店・コンチェルト・伊勢丹・北書店


どうぞお越しください。


武藤祥圃HP












2013年11月27日水曜日

【日常】盛沢山な週末 in 新潟

この週末は行事がたくさんあり、あちこちに行ってきました。

まず23日(土)。
実家が近所で小中学校の同級生大谷尚子さんの結婚式へ。場所はホテル日航新潟。
この大谷さん、新潟では知らない人はいないであろうハンコ屋さん「大谷」の社長。お父様から社長を引き継ぎ、そして結婚。おめでたい事です。中学を出てからしばらくお付き合いはなくなっていたのですが、数年前に再会し何度か飲みに行ったりしていました。
式は人前式。お二人の誓いの言葉と指輪交換に三三九度の盃。参列者が立会人となってお祝いしました。

披露宴は130名ほどが出席し、華やかな宴でした。面白かったのは、ケーキ入刀ではなく、樽酒の鏡開きだったこと。これまた一緒に参列した同級生の酒屋さん加藤さんが手配した「〆張鶴」。大谷さんは知っていますが、どうも新郎も呑兵衛らしいです。
そしてお祝いの気持ちを込めて一曲弾いてきました。
自作の「時空(とき)の旅人」を華燭の典バージョンに編曲し、結婚行進曲、てんとうむしのサンバをアレンジして演奏しました。
 

末永くお幸せに!


その後は、新潟大学邦楽部の定期演奏会を聴きに県民会館へ。

去年は行けなかったので2年ぶり。一昨年の鑑賞記はこの日記でも書きました。
5時半に開演し、全9曲。ほとんどの部員が大学に入ってから始めたにもかかわらず、よほど熱心に練習しているのでしょう、みんないい演奏でした。


24日(日)
日頃お世話になっている生田流箏曲真田雅晶先生が主宰されている箏曲真和会さんの演奏会へ。場所はだいしホール。とても綺麗で、響きのいいホールです。古典から現代曲までバラエティーに富んだプログラムで楽しめました。




25日(月)
この日は午前中から、30日(土)にある「越の風」という演奏会で演奏する曲を、作曲された小西奈雅子先生に聴いていただいたり、来年1月にある演奏会の打ち合わせをしたり・・・

新潟に行く時は、あらゆる予定をぎっしり詰め込むので、実家でのんびりとはいかず、今回のようにあたふたしています(笑)


30日の演奏会については改めて書きます。


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2013年11月21日木曜日

【日常】野菜炒めは弱火でじっくり!?

先日実家にいた時の夕食に野菜炒めが出てきた。

そして母が一言、
「この野菜炒め、美味しいわよ。目からうろこの作り方なの。」と。

食べてみると野菜がシャキシャキしていて、ピーマンも人参もシメジも、それぞれの味が際立っている。

自宅で作る野菜炒めは、シナシナで時間が経つと大抵皿のそこには水がたまる。
しかし今回はそうではない。
その作り方を聞いて驚いた。

「12-3分炒めるのよ。」

えっ・・・そんなに?何それ。

「弱火でね。」

ほう。



この“弱火で野菜炒め”は最近ちょっとした話題になっているらしい。
「強火でサッと」というのは、強烈な火力のコンロと中華鍋、そして職人技の鍋振り術を持つ中華の料理人の作り方で、一般家庭ではまず無理だそうだ。
冷たいフライパンに野菜を入れてから、直接野菜に油をかけ、フライパンの底に触れないくらいの弱火でじっくりと炒めると、野菜に含まれるペクチンが壊れずに水分も出ないし、旨みも逃げないらしい。
「科学的調理法」とのこと。

自分でも実際に作ってみた。

結論は「美味い!」

皆さんもお試しあれ。



さて、最近日記の更新が頻繁ですが、それは精神的な余裕が出てきたのです。
11月に入って演奏会が3つ終わり、この後12月までの演奏会の下準備もあらかたメドが立ったからです。

もう「最近日記書いてないですね。」とは言わせまい!(笑)
頑張ります。多分。

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2013年11月20日水曜日

【演奏会報告】 新潟文化祭2013 第36回邦楽演奏会

先日17日(日)に、新潟県邦楽連盟主催の演奏会が開催されました。

この演奏会は、新潟・長岡・上越を持ち回りで開催されているのですが、今年は新潟市での開催。新潟地区が実行委員会を立ち上げ、準備を進めてきました。

毎年第3日曜日なのですが、だいたい天候に恵まれず、雨が降っていたり、強風だったり、時雨れていたり・・・
しかし、今年は快晴!それはよかったのですが、お客様が行楽に流れた感じもしなくもなく・・・まぁ仕方ないか。
 

いずれにしても県内の団体が一堂に会する演奏会、多少のハプニングがありながらも、無事終了しました。

箏曲松濤會は2曲演奏しました。
まず都山流尺八剣照山会の共演として、三世山勢松韻作曲『都の春』。演奏会の幕開けでした。
箏3名・三弦1名に対して尺八が16名。圧倒的な人数の差に、普段はあまり使わないマイクを使いました。



そしてもう1曲は、平成21年に作曲した『三弦と箏の為の三章』。
テクニック的にかなり難しく作ってしまったので、お弟子さん方は相当苦労して練習したようです。出番前も皆さん緊張していました(笑)
結果的に、皆さん練習の成果が思う存分発揮できていたと思います。

今回は演奏だけでなく、プログラムの中程に「邦楽への誘い~和楽器ワークショップ~」を開きました。会場のお客様と一体になる事ができないか?と実行委員会で検討した企画です。
初の試みという事で、今回は楽器のお話をしました。それぞれの歴史や構造・奏法等を説明するという形式です。私が司会を務めました。

 

 箏の説明は、長岡地区の生田流箏曲 箏曲和調会(わちょうかい)の土田雅和寿(つちだまさかず)師。前日にわざわざ新潟までおいでになって、打ち合わせをさせていただきました。とても元気な先生です。

三弦の説明は生田流石川社中の石川智江師。

尺八は都山流剣照山会の松澤剣照山師。三弦の説明が終わった後、緞帳を下げ、客席を暗転し、松澤師の『鶴の巣籠』の演奏が始まり、スポットが当たるという演出にしてみました。


30分の予定を大幅にオーバーしてしまいました・・・30分に収まるように台本書いたんだけどなぁ・・・予めのリハーサルが必要だったと思います。今後の検討課題です。
その他、今回から高校生以下無料にもしました。若年層へのアプローチ、魅力的なプログラムや企画も大いに検討していかなければなりません。

終演後、70名が参加して懇親会が開かれました。こっちの写真を撮るのを忘れた・・・(笑)。余興がたくさんあり、なかなか楽しかったです。

新潟の邦楽界、盛り上げていきたいものです。



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2013年11月15日金曜日

【告知】新潟文化祭2013 第36回邦楽演奏会

11月17日、そう、今度の日曜日ですが、新潟県邦楽連盟主催の邦楽演奏会があります。
詳細は以下の通りです。


新潟文化祭2013
第36回邦楽演奏会
  平成25年11月17日(日) 午前11時開演 午前10時半開場
  新潟県民会館 大ホール
  500円  ※高校生以下無料

新潟県邦楽連盟所属団体の内、15団体が出演します。

私たち箏曲松濤會は・・・
1番(午前11時) 三世山勢松韻作曲『都の春』と、14番(午後3時頃)自作の『三弦と箏の為の三章』に出演します。

『都の春』は、都山流尺八剣照山会の皆さんに共演させていただきます。
『三弦と箏の為の三章』は、平成21年に私が作った曲で、三弦を主軸にして、箏との旋律・リズムの緊張感のある絡み対話や目指した曲です。

そして今回は初企画があります!
「邦楽への誘い~和楽器ワークショップ~」です。
私が司会を務め、箏・三弦・尺八をそれぞれ連盟所属の先生の説明や演奏を交え、楽器の魅力を探っていきます。これは12時45分頃から30分間を予定しています。堅苦しくなく、親しみやすく進行していこうと思っています。


曲目はプログラム順に、
『都の春』、『砂丘の詩』、『三谷菅垣』、『臼の声』、『宮城野』、『夕顔』、『千鳥の曲』、『鹿の遠音』、「邦楽への誘い~和楽器ワークショップ~」、『編曲五段砧』、『万才』、『秋晴』、『ブルー・レジェンド』、『御代の祝』、『三弦と箏の為の三章』、『下田鈴慕』
以上15曲です。


当日券には大変余裕があります(笑)ので、ぜひ遊びにいらしてください。高校生以下は無料ですので、ご家族そろって楽しんでいただけると思います。

お待ちしています!



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2013年11月14日木曜日

【演奏会報告】第61回新潟市芸能まつり 第68回三曲演奏会

去る11月3日、毎年恒例新潟市三曲連盟の演奏会がありました。



今回は68回目。昨年までは各団体が1曲ずつ演奏する形式だったのですが、今回はそれに加え、新たに企画した3曲を含め、15曲が演奏されました。

私が出演したのは3曲。
まず、私が主宰する箏曲松濤會の演奏。初世中能島松声作曲『雨夜(うや)の月』。
鎌倉幕府の討幕計画が露見して捕らえられた日野俊基卿が、処刑のために京都から鎌倉へ護送される道中を扱った曲です。全曲演奏すると35分くらいかかる曲なのですが、それを15分にまとめて演奏しました。
今年から新潟のお稽古場に来ている中学生も頑張ってくれました。

こちらは宮城道雄作曲『水の変態』。会主の演奏です。生田流の真和会真田雅晶先生のご指名で、共演させていただきました。
宮城道雄が14歳の時に作曲したもので、水が霧・雲・雨・雪・霰(あられ)・露・霜と変化する様子を詠んだ短歌を歌詞にした曲です。
演奏が終わった時に「ブラボー!」の声がかかったのは嬉しかったです(笑)

最後は、連盟所属12団体の合同演奏。高野喜長作曲『朱鷺の詩(うた)』。絶滅の危機に瀕していた朱鷺に対する哀感と、その優美な姿への憧れを込めて昭和62年に作曲されたものです。今はその朱鷺も増え、朱鷺色の羽を広げ悠然と空を飛ぶ姿を多く目にすることができるようになりました。大切にしたいものです。
箏16名・三弦8名・十七弦4名・尺八24名、総勢52名の大合奏でした。

終演後記念撮影。今回私達の社中は当番幹事で、受付とアナウンスを担当したのですが、なにせ人員不足のため、アナウンスは5月にあったクラシックストリートで共演した声楽家田辺千枝子さんが快く引き受けてくださいました。普段はとても元気のいい明るい方なのですが、落ち着いたアナウンスでびっくり(笑)。とても好評でした。

県立中央高校の箏曲部の皆さんにも出演していただいた事もあってか、昨年より多くのお客様に来ていただけました。邦楽人口が減少している中、いい傾向です。来年も連盟一丸となって、さらに気合いを入れないと!

またこの日は30代最後の日。演奏しながら30代にあった色々な出来事を思い返し、なかなか感慨深いものがありました。
という事で、とうとう40代に突入しました。不惑の年。新たな一歩を踏み出したいと思います。



武藤祥圃HP