2014年10月28日火曜日

【演奏会告知】第69回三曲演奏会 箏・三絃・尺八の響演

11月3日の文化の日、毎年恒例の三曲演奏会が新潟市音楽文化会館ホールで開催されます。



今年も各社中の演奏の他、新潟中央高校箏曲部の皆さんのゲスト演奏の他、会主の演奏、全社中の合同演奏があります。

私は、12番目の『六玉川』と、最後15番の『都踊』に出演します。

『六玉川』は、弘化3年(1846)に三世鳥羽屋里長が作曲した富本節の曲です。富本節を説明すると長くなるのですが、簡単に言うと、江戸で流行した三味線音楽で、清元のような浄瑠璃(語り物)です。
「草枕(くさまくら)露(つゆ)の玉歌和(たまがわ)」というのが元々の名前です。
昔から和歌に詠まれている六つの玉川~井出(京都)・高野(和歌山)・野路(滋賀)・三島(大阪)・調布(東京)・野田(宮城)~を旅をしているように曲が進行します。
京から陸奥まで春夏秋冬の風情をそえて綴った歌詞がついています。
全曲演奏したいのですが、15分という時間制限があるので、かなりカットして演奏します。
私は三絃を弾きますが、浄瑠璃らしく、普段の山田流の曲よりも低音の三絃で、粋な感じです。緩急が多く変化に富んでいるので、聴いていてとても楽しいと思います。

『都踊』は宮城道雄の作曲で、京都祇園の都踊の風情をうたっています。大合奏なので、迫力があると思いますよ。


三連休の最終日、どこかへお出かけだったり、翌日からの仕事への体力温存などおありかと思いますが、芸術の秋を満喫しに、是非お越しください。

曲目・演奏団体はこちらをご参考にどうぞ!
ちなみに、『六玉川』は午後2時45分頃、『都踊』は午後3時50分頃の予定です。


武藤祥圃HP

2014年10月8日水曜日

【仕事】東北電力スクールコンサート

現在怒涛の新潟ウィーク真っ最中です。

昨日7日から、“東北電力スクールコンサート”に参加しています。
これは、東北電力が行っているプロジェクトで、地域の未来を担う次世代の子どもたちの個性や才能を伸ばす事業“放課後ひろば”の一つです。

スクールコンサートは、この日記にもよく名前の出てくる作曲家小西奈雅子先生がプロデュースされている新潟ARS NOVA(アルス ノーヴァ)の皆さんが毎年行っています。全員新潟県出身のプロ奏者です。(最近“新潟県出身の~”が多いなぁ)

メンバーは・・・
市橋靖子(フルート)、金子いつか(オーボエ)、広瀬寿美(クラリネット)、小武内茜(ファゴット)、宮野大輔(ホルン)、藤井裕子(トランペット)、本間美恵子(打楽器)、廣川抄子・庄司愛・加藤礼子・田代華子(ヴァイオリン)、佐々木友子(ヴィオラ)、渋谷陽子(チェロ)、星野勝彦(コントラバス)、山下尚子(ソプラノ)の15名で構成されています。
今回そこに私も参加させていただいてます。

新潟県内の4校にお邪魔しています。

昨日は、十日町市立十日町中学校。

午前中はリハーサルを行います。

今日は上越市立八千浦(やちほ)小学校


明日は、上越市立上下浜小学校。明後日は糸魚川市立根知小学校。
それぞれ全校の児童生徒さん、保護者の方々などを対象としています。


演奏曲は『白鳥の湖』『剣の舞』『アイネ クライネ ナハト ムジーク』など、有名な名曲が演奏されています。
私は、箏のソロでは中能島欣一作曲の『三つの断章』、そしてARS NOVAのみなさんとは、小西先生が編曲された、宮城道雄作曲『春の海』を演奏しています。
オーケストラと箏というのは初めての経験で、とても刺激的です。

目の前で演奏を聴けて、奏者や楽器を見れるとあって、子供たちの目は輝きまくっています。都会の学校と違い(この言い方はちょっと語弊があるか・・・)、学校と地域が密着していて、柔らかく穏やかな雰囲気で温かいです。


そして感じる事。
予算がどんどん削られ、軽く扱われる文化的事業。そんな中このような事業を続けていらっしゃる東北電力さんには頭の下がる思いです。
行政よ、どうせやるなのなら表面的なスローガンだけを掲げて大雑把な事をせずに、こういうきめ細かい活動や、それをしている音楽家にもっと目を向けて、実のある事をせよ。と言いたい。


さて、風呂風呂。
だって、泊まっているところがここなんだもん(笑)



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2014年10月6日月曜日

【演奏会報告】根來加奈ソプラノリサイタル

情報は新鮮なうちに!(笑)
昨日10月5日(日)はいつもお世話になっているソプラノの根來加奈さんのリサイタルに出演させていただきました。


会場は新潟市秋葉区にある秋葉区文化会館。昨年できたばかりの新しいホールです。外観はカタツムリのような感じ(笑)

ホール内のデザインもなかなか独特。とにかく天井が高いのです。
舞台で調弦をしている姿を撮られていました(笑)
舞台からの眺めはこんな感じです。
いやー、少し痩せねば・・・


客席から見るとこんな感じ。

背景の“目”のようなものは、どうも“葉”のようです。秋葉区ですからね。これもなかなか独特。


さて、プログラムですが、一部は新潟を拠点に活躍されている作曲家小西奈雅子先生と後藤丹先生の曲。二部はおなじみの日本の歌と、ドニゼッティのオペラアリア「ルチアの狂乱」。とても多彩で根來さんの色々な魅力を楽しめるリサイタルでした。

私は小西先生の作曲された『野辺の歌』に出演させていただきました。

プログラムより
2008年に燕市、福勝寺住職・黒田玲氏から、良寛の和歌で作曲の依頼を受け、翌2009年春に同寺本堂で、春の和歌のみで「春の野に」として初演。
その後、夏、秋を加えて2011年1月に「野辺の歌」として初演。
2013年秋には「雪」(箏と唄のための)として武藤祥圃氏が冬の曲を初演。
今年9月に「雪」をピアノ版に替え、全14曲を初演。今回は一部に箏を添えた編曲で演奏される。

14曲の中から、今回は7曲が演奏されました。どれも素敵な曲でしたよ。
演奏中の写真は入手できたらアップしますね。


アンコールは、出演者総出で「オー・ソレ・ミオ」と、後藤先生が今回のために編曲された「ふるさと」。ピアノ・ヴァイオリン・フルート・ギター・箏が伴奏というもの。これも面白い。


終演後、出演者とスタッフの皆さんで記念撮影。


雪椿会もそうですし、今回の根來さんもそうですし、故郷への愛着もありますが、既成概念や古いしがらみに囚われない新しい感性の音楽を地方から発信していく事は今後重要になるでしょうね。意義もあると思いますし、それが“芸術”だと思います。

さて、次に向かってがんばろう。



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2014年10月5日日曜日

【演奏会報告】雪椿会演奏会

二日連続の大きい演奏会が終了しました。

まず10月4日(土)のほうから。

「新潟県出身の東京藝術大学音楽学部邦楽科卒業生による 雪椿会演奏会」

東京では頻繁にある邦楽のリサイタルや演奏会。しかし新潟ではそのような機会に決して恵まれているとは言えません。そこで、新潟の皆さんに邦楽に親しむ機会を少しでも多く持っていただきたい、故郷のために何か貢献したい、新潟から新しい邦楽の流れを発信したい、という気持ちで発足した“雪椿会”。
会名にある「雪椿」は新潟の県花です。新潟県出身者の会としてはこれ以上ないネーミング(笑)

発足メンバーは、市橋京子さん・池田聡子さんと私の三人です。
第一回目の演奏会のゲストは、琴古流尺八の善養寺惠介師。繊細でありながら深い魂を感じる尺八の音色で大いに花を添えていただきました。

会場は、新潟市中央区にある第四銀行本店内にある「だいしホール」。今回は第四銀行さんの支援事業として開催させていただきました。

いくつか写真をどうぞ。
開演前の会場です。集客が心配でしたが、多くのお客様にご来場いただきました。

一曲目。宮城道雄作曲『落葉の踊り』
箏 市橋京子  三絃 武藤祥圃  十七絃 池田聡子

二曲目は市橋さんの独奏で、広橋勾当作曲『菊の露』


三曲目は長沢勝俊作曲の『秋によせる三つの幻想曲』
箏Ⅰ 市橋京子   箏Ⅱ 池田聡子  十七絃 武藤祥圃  尺八 善養寺惠介

ゲストの善養寺惠介師による、普大寺伝『霧海篪(むかいぢ)』


そして最後は、発会を記念して、祝儀曲としても有名な、三橋勾当作曲『根曵の松』


お花もたくさん頂戴しましたが、二つをご紹介。
新潟市三曲連盟会長の真田雅晶先生からのお花(左)と、東京藝術大学音楽学部同声会新潟県支部からのお花(右)です。どちらも素敵なお花です。

また地元のテレビ局NSTさんが演奏会に取材に来てくださり、当日夕方のニュースで紹介してくださいました。有難いことです。

ご来場の皆様、本当に有難うございました。
将来的には、今後の邦楽科卒業生も会員になってもらい、箏曲のみならず、ジャンルや流派を超えて、多彩な邦楽に触れていただける演奏会ができるような“雪椿会”へ成長していけたら、と思っています。
また、この活動を通して、邦楽に興味を持って、我々に続いて専門家を目指してくれる若者が現れてくれる事を切に望みます。
そして、邦楽を元気にしていきたいと思います。

今後とも皆様のご支援をお願い申し上げます。




これに続き、今日終わった根來さんのリサイタルについても書こうと思ったのですが、瞼がとてつもなく重いです・・・
もうダメです。
誤字・脱字があっても大目に見てください(笑)
寝ます。
おやすみなさ・・・
い・・・
 
 

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