2023年3月31日金曜日

祖母が旅立ちました

 去年の8月1日以来の更新です。その日100歳を迎えた祖母のことを書きましたが、その祖母が3月17日に旅立ちました。100歳7ヵ月と16日。大往生といえるでしょう。祖母の兄弟のほとんどが90代まで生きたので長寿家系ではありますが、100を超えたのは祖母だけ。末っ子だったので、それだけ逞しく育ったのでしょう。

10年ほど前からマンション型の老人ホームに入っていたのですが、2月の初旬に、食事ができなくなってきているのでこの状態になると一週間かもしれないし、一か月かもしれない。徐々に衰えていきますという話を聞き、これは早いうちに会いに行こうと、先月の8日に会いに行ったのが最後でした。耳が遠いので、こちらが言いたいことはホワイトボードに書きそれに祖母が答えるという会話が中心なのですが、「毎日楽しい?」と聞けば「寝るのに忙しい」と答えてみたり、昨年の100歳の誕生日に一緒に撮った写真をスマホで見せると食い入るように見て「婆さんくさいね」と言ってみたり、ホワイトボードに書く私の字を見て「男でこれだけの字が書ければ立派だわ」と答えたり・・・今までと何ら変わることがなく安堵していました。そうそう、それまで毎回言われていた「あんた、まだ結婚しないの?いい人いるんでしょ?」はその時は言わなかったので、おそらく諦めたのでしょう(笑)

その後は施設の方が折に触れて写真や動画を送ってくださって、それを見る限り案外“もつ”のではないか?と思ったりもしました。しかし、体は確実に終い支度をしていたのでしょう。3月17日の朝、普通に起きて朝食をとったのですがその後急に血圧がさがり、そのまま息を引き取ったそうです。

私のような仕事をしていると、身内に何かあったとしても仕事に穴を開けるわけにはいかないので、最悪お別れができないことは覚悟しています。しかし、今回祖母はよく私のスケジュールを分かっていてくれました。ま、自分が箏を仕込んだ孫が最後に会いに来れない日は選ばないですよね(笑)お弟子さんのお稽古を2人だけ他の日にしてもらいましたが、それ以外は仕事をこなしながらも見送ることができました。


法名は「釋尼奏静(しゃくにそうじょう)」。菩提寺である念仏寺のご住職がとてもよい名前を付けてくださいました。祖母の家が念仏寺のすぐ脇で、祖父の月命日にお経をあげにお見えになったこともあって、祖母のことはもちろん、箏をずっとやってきたこともご存知あるので、この名前に込められたご住職の深い御心を敬服していす。


さあ、これからは祖母から受け取ったものを私が伝えていく番です。生前お世話になった皆様に感謝を申し上げるとともに、今後とも私ならびに箏曲松濤會をどうぞよろしくお願い申し上げます。ちなみに祖母の作った箏曲松濤會は来年創立65周年を迎えます。




今日は3月31日。このことは今月中に書いておこうと思い、久しぶりに更新しました。


それでは皆さまご機嫌よう。