2022年8月1日月曜日

祝 百寿

 母方の祖母が今日100歳を迎えました!なんと目出度いことでしょう!

祖母は現在施設に入っています。このご時世ですから通常は面会はなかなか難しいのですが、滅多にないお祝いなのでなんとか面会できないか?写真を一緒に撮れないか?とお願いしたところ、抗原検査で陰性であればいいですよ!ということで、1年ぶりに会いに行ってきました。

「あなたどなた?」なんて言われるかと思いましたが、そんなことは杞憂に過ぎず、耳が遠い以外はいたって元気でした。部屋に置けるようにプリザーブドフラワーをプレゼント。


こんな写真を撮っていたら、施設の方から花かごのプレゼントをいただきました。しかも記念のプレートまで作ってくださって!そうそう、この紅白幕もわざわざ準備してくださったそうです。ありがとうございます<m(__)m>


せっかくなので二人で撮ってみたり。ちょっと痩せねばならぬな・・・


そして親子。


職員の方もお祝いしてくれて、祖母も嬉しかったでしょうし、ことらもとても幸せになりました。

もう一つプレゼントとして爪と箏を持っていってみればよかったなぁ。たまには弾きたいか?いや、どうだろ。前、「本当は嫌いだけど、習いに来る人がいるもんだから仕方なくやってたのよ。」なんて言っていましたから。


大正11(1922)年8月1日北海道生まれ。戌年でAB型。この祖母の99年前の写真があります。日付をみると大正12年7月31日とあるので1歳の誕生日の前日のようです。数えで2才と書いてありますね。なんとなく面影があるのが面白い。


この高蔵さんという人が曾祖父ということになる訳ですが、屯田兵として北海道の開拓に尽力した人だそうです。北海道開拓記念館に写真が飾られていたりします。

親戚の中で一番の長寿。さて、どこまで記録を伸ばすことができますことやら!有難いことにまだまだ大丈夫な感じです。

100年か。んー、歴史だね。


そうそう、抗原検査は陰性でした(笑)




それでは皆さまご機嫌よう。





2022年7月18日月曜日

竹峯会(1週間経っちゃったけど)

 前回ご案内していた7月10日(日)の琴古流尺八「竹峯会(ちくほうかい)」の3年ぶりの演奏会。無事に終演しました。コロナ禍で演奏会は延期中止の嵐で、お弟子さんたちを含めて私にとっても今年は演奏会のリハビリ期間です。

今回演奏したのは「臼の声」「江の島曲」「須磨の嵐」というかなりメジャーな曲を3曲。5月の新発田市芸能音楽祭で今回の竹峯会の度胸試しとして同じ曲で出演した成果もあり、みんな落ち着いて演奏できていたように思います。


まずは今回の出演のお弟子さんが総出演した「臼の声(うすのこえ)」。曲についてちょっとご紹介しますね。ほら、今度お聴きになる機会があった時に、一緒に行った人にこれを話したら尊敬されますから!というか、このブログは大変アカデミックなものですから。(そういう事にしといてください。)

この曲は、もともと「薄衣」という地歌でしたが、山登松齢(やまとしょうれい)が山田流に作り直して、明治12年に自身の山登家三世家元の襲名披露の際に発表したものです。昔、名古屋のとある旧家の土蔵)にあった臼を薪として燃やしたところ、とても良い香りがしたという話から、その「臼の香りを聞く」という意味で「臼の声」という曲名となったようです。歌詞はこの「臼」の縁語として、「薄衣」「薄紫」「薄紅葉」など「うす」のつく言葉を多く集めて、春夏秋冬の四季に配しています。曲は、前弾(まえびき)があって唄となります。季節の変わり目には合の手(唄のない器楽部分)がありますが、特に夏と秋の間の合の手は「六段の調」の初段を合わせます。(山田流はこういう遊びをよくやります。)全体的に荘重で華麗な雰囲気となっています。私の顔の大きさよ・・・(゚Д゚;)


次に「江の島曲(えのしまのきょく)」。

この曲は、山田流箏曲の流祖)である山田検校の作品の中で、「四つ物)」という山田流最高峰の四曲の次に大切に扱われている「中七曲)」の中の一曲で、1777年、山田検校が初めて作曲した作品だと言われています。江戸時代も人気の観光地であった江の島に参詣する道中の情景描写にはじまり、その後、歌詞に様々な貝の名前をダジャレのようにかけている、ややくだけた雰囲気の「貝づくし」があります。そして最後は、深沢の底なし沼に住み、悪行を重ねていた龍が、それに困る村人を助けるために現れた天女に一目惚れし、妻に迎えるために改心して守り神となった、という江島神社の縁起を唄っています。現在でも山田流箏曲で最も有名な曲の一つですが、1810年頃に出版された式亭三馬の『浮世風呂』でも、女湯の客が「まず、江の島、江の島」と大騒ぎをする描写があるほか、深川の芸者を詠んだ川柳にも「羽織の弁天 江の島を唄ってる」とあり、当時もこの曲が好んで演奏されていたことがうかがえます。私、バランス的にもう少し真ん中にいるべきじゃない?写真見てびっくりしましたの。


そしてもう一曲は「須磨の嵐(すまのあらし)」。

この曲は、明治30年頃に山登万和が作曲したものです。作詞者は不明ですが、「平家物語」や「源平盛衰記」に書かれている平敦盛の話をつづった内容です。前弾に続き「そもそも熊谷直実は征夷将軍源頼朝公の臣下にて」と歌いだします。その後平家の武者(敦盛)が登場し、源氏方の熊谷としのぎを削ります。この部分の合の手は、二人の組討ちを描写しています。その後、敦盛の気品のある姿や、熊谷が敦盛を討つ場面と、この曲の聞かせどころが続きます。「須磨の嵐に散りにけり」の後の手事は、吹雪のように散る桜花を描写し、敦盛の最期を比喩的に表現しています。そして熊谷が出家する心境を唄って、悲哀に満ちた武士の心を共感して終わります。

これはもう感情移入してしまうと唄うのが困難になる曲です。16歳の敦盛が「〽はやはや首を討たれよと」言って「〽西に向かいて手を合わす」んですよ。そして熊谷は自分の息子と同じ年齢の敦盛を「〽落つる涙はとどまらず、鎧の袖をしぼりつつ、是非なく太刀を振り上げて許させ給えとばかりにて、あえなく首(しるし)をあげにけり」とか唄うんですよ。ヤバいです。そんな試練を何とか乗り切りました。そして、やはり顔がデカい。


当日の楽屋でのどや顔写真。いつもは終演後に撮るのですが、みんな疲れ果ててしまっているので、今回は開演前に。


こちらはにやけ顔。

今回は絽の着物でございます。絽の袴が欲しいです。だれか買って~~~。

この日新潟市はとても天気が良く、最高気温は30度超え。しかし湿度が低く、暑いわりにはそこそ快適でした。



次にお弟子さんたちと出る演奏会は、11月3日の「第70回新潟市芸能まつり 第75回三曲演奏会」で自作の「三番叟協奏曲」を12名で演奏します。そして、11月20日の「新潟県文化祭2022 第43回邦楽演奏会」でヴィヴァルディ作曲「四季」より「春」を10名で。今年はまだコロナ禍なので唄のない曲で、弾くほうも聴くほうも楽しくなれる曲を選びました。お楽しみに。


それでは皆さまご機嫌よう。




2022年7月9日土曜日

3年ぶり!竹峯会尺八演奏会のお知らせ

 例年にない早い梅雨明けからの猛暑酷暑。そして台風に関連する豪雨。今年は自然災害が少ないことを祈るばかりです。


さて、この2年間中止になっていた演奏会の復活が多くあります。こちらもそうです。

竹峯会 第48回尺八演奏会


竹峯会は宗家竹友社に属していて、新潟で歴史のある琴古流尺八の団体です。毎年桜満開の4月の第2日曜に開催されているのですが、昨年一昨年は中止。今年も4月から延期されて、明日7月10日に開催されます。


がっつり古典の演奏会です。新しくて宮城道雄(笑)

賛助出演は生田流3社中、山田流は私のところです。以下、演奏曲と箏の賛助団体です。でかい字は私のところです( ´艸`)

1.ままの川(箏曲蕙香会)

2.臼の声(箏曲松濤會)11:20頃

3.奈賀良の春(箏曲暁会)

4.八段の調(箏曲真和会)

5.琴古流尺八本曲 下り葉

6.楫枕(箏曲真和会)

7.夕顔(箏曲蕙香会)

8.桜川(箏曲暁会)

9.江の島曲(箏曲松濤會)13:20頃か?

10.末の契(箏曲蕙香会)

11.越後明暗流尺八本曲 下田鈴慕

12.夜々の星(箏曲真和会)

13.須磨の嵐(箏曲松濤會)14:40頃か?

14.萩の露(箏曲蕙香会)

15.残月(箏曲暁会)


リサイタルは別ですが、だいたいの演奏会は時間の都合で13分くらいにカットして演奏するのですが、この会はカットなしで全曲。いつもカットする部分を勉強するいい機会です。

今回私が演奏するのは山田流の曲の中でも最もメジャーで人気のある曲です。曲を知らないと全部の曲を聴くというのは拷問に近いと思いますが、入場無料ですし、途中での(あ、曲と曲の間って意味ですよ)入退場も大いに可能ですので、フラッと立ち寄ってちょっと聴いてみる、というのも良いと思います。

ただし私の所は出演の予測時刻を書きましたので、その時間は会場にいてください。臼の声は約13分、江の島曲と須磨の嵐はそれぞれ約20分ですから耐えられない時間ではないでしょう(笑)


会場は西新潟市民会館のホールです。どうぞお越しください。



それでは皆さまご機嫌よう。




2022年6月23日木曜日

久々の新聞沙汰

 わたし、ヤラカシテしまって新聞に載ることがしばしばございます。

久々に新聞沙汰となってしまいました・・・

6月23日付けの「新潟日報」です。26日の日曜日に阿賀野市(新潟県)の頼勝寺の本堂である「第8回 頼勝寺音楽会」にお呼ばれしまして演奏するのですが、その告知記事が掲載されました。


私たち、トロントリオでございます。コ、チェ、ヴァイオリでございますの。

【トロントリオ】ヴァイオリン=廣川抄子、チェロ=渋谷陽子、箏=武藤祥圃。

ヴァイオリン、チェロ、箏による和洋折衷のトリオ。2015年より活動を始め、2019年に「トロントリオ」と命名した。「トロン」とはそれぞれの楽器の名前の最後の文字を集めたもの。楽器の頭文字ではなく、語尾から取るところが3人の奥ゆかしさ(?)を表している。

レパートリーはクラシックをはじめ、タンゴ、ジャズ、ポップス、叙情歌、歌謡曲、邦楽など幅広い。また編曲は作曲家に依頼する他、メンバー自らも行う。

新潟出身で東京在住、音楽とお酒をこよなく愛する3人による楽しいおしゃべりと心に沁みる演奏で好評を博している。


三人とも名前の母音が全て「お」。「おーお、おーお、おーお」。「しょうこ、ようこ、しょうほ」、これを連続で言うと、途中で舌がもつれますよ。頭の体操にどうぞ。


それはそれとして、お時間のある方、どうぞお越しください。

演奏曲は、バッハ「主よ、人の望みの喜びよ」、ヴィヴァルディ「四季」より春、後藤丹「日本民謡によるパラフレーズ《北前船西廻り航路》」、竹内まりや「いのちの歌」、中島みゆき「時代」他。


お待ちしております!


それでは皆さまご機嫌よう。



2022年6月6日月曜日

今日は何の日?山田検校からのメッセージ

このブログの主である武藤祥圃が度々私の名を出しておるが、我が山田流箏曲を創流せし山田斗養一である。自己紹介をしたいところだが、それは6月14日に再びこの武藤のブログを通してすることにする。これには少々理由があるのだ。

そして写真は恥ずかしいので、私の像で我慢してくれ。


今日は何の日か知っているか?今日は6月6日。

昔から6歳の6月6日に稽古事を始めると上達すると言われている。6歳の子どもにはぜひ稽古事を始めさせて欲しい。もちろん6歳でなくてもよい。過去6歳だった者でも構わない。

そして、6月6日の当日にそんな事を言われても、という者もおるだろうが、旧暦の6月6日は新暦の7月4日だ。まだ間に合う。考えてみてはどうだろうか。

そして、稽古事としては「箏」がよいと私は思う。特に私が作った「山田流」がよいと私は思う。そして習うならば、このブログの主である「武藤祥圃」がよいと私は思う。武藤祥圃は研究熱心でよく精進している箏上手の者なれば、門をたたくのに最も適した者である。武藤は対面での稽古もしているが、遠方の者にはリモートでの稽古をしているようだ。距離は関係ない。箏をやってみたいという気持ちがあれば、その気持ちに従い、武藤の門をたたけ。




という、有難いお言葉を流祖山田検校様よりいただきました。有難うございます。一層精進して参る所存でございます。

ということで、箏に興味のある方、とりあえずSNSをチェックして、ぜひお問い合わせください。


まずはTwitter。


続きましてInstagram。


最後にYouTubeチャンネル。



それでは皆さまご機嫌よう。


2022年5月25日水曜日

和楽器クラブができました!

 7年前から4年生の「総合的な学習の時間」での箏の学習の外部講師として指導に行っている新宿区立戸塚第二小学校。毎年子どたちは興味をもって積極的に授業に臨んでくれます。そして、何年か前にも一人いたのですが、昨年はかなり本気で「箏を習いたい」という児童が出て来ました。私の家までは小学校からかなり距離があって、地下鉄に乗ったり歩いたりしないといけないので、その子の家の近くの教室を検索して紹介したのです。そんなこともあったり、もっと弾きたい!という子どもたちが多いので、校長先生に「楽器も揃っているし、クラブ活動ででもできるといいんですけどね~。クラブが出来たら教えに来ますよ!」というお話をしたところ、とても喜んでくださって、「検討します。」ということでした。


そうしたら4月に入って、「和楽器クラブを作りました!」という連絡がきました。そして、昨年一昨年と教えた現在の5、6年生を中心に4年生も含めて13名の希望者がいるとのこと。一回目の活動日は行けなかったのですが、23日の2回目の活動日に行ってきました。お休みの児童がいたので9名。

「先生久しぶり~!」などと言われ有頂天になる武藤。かわゆいのぉ。(←かわいいのは子どもたちですからね)先生を紹介した子もいて、ちゃんとお稽古に通っているとのこと。山田流ではないのがちょっと残念ですが、習いたい!という子どもにとっては流派なんて関係ないですからね。とは言いつつ、絶滅危惧種の山田流を盛り上げていくためには一人でも多くの人に広めたいところですが、何がともあれいいことだ!


小学校音楽の共通教材である「春の小川」と「夕やけこやけ」を箏にアレンジした楽譜を作りそれを練習したのですが、これがまぁちょっと、基本をよく覚えていてすらすらと弾いてしまうんです。5年生は4か月ぶり、6年生は1年4か月ぶりに触るのにですよ?私の教え方が良いからなのですが(←いつもの自画自賛)、それ以上に先生方が授業外でも指導してくださること、そして授業の時に子どもたちが真剣に授業に臨んで、頑張って練習していた証拠。なんて素晴らしいことでしょう!

すっかり有頂天の武藤です。

授業の時は親指だけを使って弾けるようにアレンジしているので、今回もそうしたのですが、クラブではちゃんと3本の指を使うアレンジにしようと思います。

次は難しいから覚悟しとけ~!

10回あるクラブ活動の半分は箏、半分は他の先生がいらっしゃって太鼓だそうです。そして、最終的な目標は2月の末に3年生へのクラブ紹介での発表。楽しみです。

そして、毎年6年生が卒業していくわけですが、その子たちがずっと箏を続けられる環境を考えなきゃなぁ。家に習いにくるくらいになってくれるといいけどな~。

とりあえずは来月が楽しみです。


そして、小学校のあと、先月末コンサートがあった「えごたいえ」に行きました。というのは、当日の帰りはそこそこしっかりした雨が降っていたので、楽器を置かせていただいていたのです。天気がいい日と私の都合がいい日が合わず、この日になりました。


いつもの如くバスや地下鉄に乗せて最寄りの駅まできて、駅まで自転車できたことを思い出しました。ま、確信犯ですけど。お箏をお弾きになる方には叱られそうですが、これ、楽に運搬できますの。曲がるときは細心の注意を払いますけど。

この様子、周りに人がいないことを確かめて、コッソリ急いで撮りました。見られたら私、変な人確定ですもの。

いい子はマネしないでください。


それでは皆さまご機嫌よう。






2022年5月16日月曜日

私の真骨頂⁉の演奏会

 ゴールデンウィークにあった演奏会のご報告第3弾。

というか、この短期間に3つも演奏会があるなんて、コロナ前以来です。もう本当、色々もとに戻ってきて嬉しい限りです。昨年一昨年なんて、せっかく手帳に書いた予定を二重線消し続けた日々でしたから。

さ、ゴールデンウィークの最終日5月8日(日)です。5月の第二日曜日は、毎年これなんです。

「新発田市芸能音楽祭 箏・三絃・尺八演奏会」

会場は新発田市民文化会館のホールです。この新発田市は私の地元新潟県にあります。祖母が、昭和30年代なのでかれこれ60年以上前に当時住んでいたこの地に稽古場を開いて以来ずっと稽古場を置き、20年ほど前に私が引き継いで現在に至って稽古場があります。新発田市は城下町なので文化レベルは高く、また山田流が盛んでした。最盛期には山田流の団体が6団体(全国的な箏曲人口からすると生田流の団体がないという超レアな地域)、琴古流1団体、都山流1団体ありました。各団体2曲、先生方の曲、合同曲が2曲で、12時半開演で終演は16時半過ぎな感じ。武藤は小学生の時から出ているので、40年か( ゚Д゚)←俄かに信じがたいこの現実。

だんだんと人口が減少し、ここ数年は箏3団体、尺八1団体でやってきていました。しかしコロナ禍で2年中止。この間に山田流2団体のみとなってしまいました。これまでは1団体2曲、最後に合同曲をやっていたので10曲近くあったのですが、その方法で行くと今回は4曲だけ。これで演奏会という“体”を保てるのか?間に1曲しかなくて、次の曲の調絃をする時間は確保できるのか?色々問題点はありながらも、もうひとつの団体の方と相談し、まぁとりあえずやってみよう、ということで、3年ぶりに開催しました。

1団体3曲にし、途中で休憩時間を設けて、1時間半くらいの演奏会にはできました。出演は箏曲松濤會(←私の社中)と美すず会。

当日のプログラムは・・・

1.江の島の曲(箏曲松濤會)

2.春の光(美すず会)

3.臼の声(箏曲松濤會)

4.千鳥幻想曲(美すず会)

~休憩~

5.山里の春(美すず会)

6.須磨の嵐(箏曲松濤會)

お弟子さんたちは約3年ぶりの舞台なので、リハビリ(笑)が必要だと思い、7月に頼まれている尺八の会で演奏する曲を今回は尺八を入れずに箏だけでやろう、ということにしました。演奏曲は全て山田流箏曲の古典作品。これらは様々な先生に師事して修行してきた、そしてこれからも研鑽を積むべき私の中心にあるものです。そして次の世代に残す使命を負っているものでもあります。

当日の写真です。

まず、「江の島曲」

江の島の曲と読みます。山田流の流祖山田検校の最初の作品で、江の島へ向かう道中、そして、江の島界隈で悪行を重ねていた龍が弁財天に恋をたことを機に改心し、守り神となったという“江島神社”の縁起を唄っている曲です。二面一挺(にめんいっちょう、箏二人と三絃一人)の予定でしたが、箏を弾く予定だったお弟子さんが前々日に腰をいためてしまい、動いたり歩くのもままならないということで、急遽一面一挺で。ちなみに三絃は母です。


次は「臼の声」

明治時代に作られた曲で、元は「夏衣」という地歌を山田流化したもので、旧家にあった臼を薪にして燃やしたところ良い香りがしたので、お香として人々に配ったという話から、「うす」が付く言葉を並べて歌詞にしています。唄と唄の間奏部分はテンポのいいもので、六段調の初段を合奏する部分もあったりします。小学3年生からお稽古に来ている中学生が本格的に唄デビューしました。


そして「須磨の嵐」

源平の戦い、一の谷の合戦の話です。源氏方の熊谷直実と平家方の平敦盛の話で、熊谷が自分の息子と同年齢の敦盛の首を泣く泣く切り落とすという内容で、かなりドラマチック。この曲は当初さっきの腰を怪我したお弟子さんが三絃の予定だったのですが、そのような理由で出演できなくなったため、私が三絃にまわりました。



全て終わってから楽屋で。みんな疲れ切っていまして・・・開演前に撮ればよかった。←毎回思いながら、いつも終わってからになってしまいます。



来年は5月14日です。団体が増えるとよいのですが・・・そしてもうこれまでのような、各団体の発表だけという形式では難しいようです。お客さんを楽しませるエンタメ的な要素も必要なのかも。山田流、そして箏の格式は下げない範囲で何か考えてみましょう。


それでは皆さまご機嫌よう。

2022年5月14日土曜日

緊急告知 NHKラジオ「新日曜名作座」

 皆さまに緊急のお知らせ。

HNKラジオ第一放送、日曜日の午後7時20分~午後7時50分に「新日本名作座」という番組があります。西田敏行さんと竹下景子さんがお二人だけで様々な役を演じて物語を語るのですが、明日5月15日から向田邦子作「あ・うん」が全7回で放送されます。


詳細はこちらでチェックしてください!


登場人物の言動や考え方は現代では「?」という部分もありますが、昭和初期ですし、フィクション、物語ですので、そこはスルーして文学として純粋に楽しむことにしましょう。


主人公の娘は18歳で箏を習っています。友達に披露したり、箏に触らせたりもするでしょう。

また、主人公の夫は製薬会社の本社課長ですから、神楽坂の料亭に行って、三味線や踊りもみるでしょう。


そんな時の箏や三味線の音ですが、私が弾いていますの。

3月に渋谷のNHKの506スタジオで録音しました。



そうそう、他のスタジオでは北京オリンピックの放送をしていましたねー。そんな時期でした。

以下独り言です。

(以前は色々な先生から声をかけていただいてNHK-FMの「邦楽のひととき」「邦楽百番」などに出演していたんですけどねー。私を使ってやろう!という勇気のかる方はいらっしゃらないかしら。あ、それを待たずにオーディション受ければいいのか!)

久しぶりのNHKでした!


それはいいとして、その7回のうち、何回目に演奏の音が使われているのか分かりません。ですから、毎回お聴きください( ´艸`)



NHK ラジオ第一放送

5月15日(日)午後7時20分~午後7時50分

向田邦子「あ・うん」(全7話)


それでは皆さまご機嫌よう。



2022年5月13日金曜日

みんな着物で!森の音楽会Vol.12

 2022年のゴールデンウィークにあったコンサートのご報告シリーズ第2弾!

今日は、4月29日にあった「森の音楽会Vol.12」についてです。「次世代に伝えたい美しい日本の歌 春夏編」という副題です。

昨年の1月にYouTubeでの配信コンサートの動画を録画したのですが、その時のご縁で、また声をかけていただきました。(この動画については一番下にリンクを付けておきます!)

今回のメンバーは、ソプラノの山下尚子さん、バリトンの鶴川勝也さん、ピアノの相原郁美さん、そしてZEROキッズと森のファミリー合唱団のみなさん。このメンバーでいろいろな組み合わせで演奏を披露しました。

この日のプログラムは!

◆背くらべ(柱のきずはおととしの~)・こいのぼり(屋根より高いこいのぼり~)・鯉のぼり(甍の波と雲の波~)、茶摘み(夏も近づく八十八夜~)※ここまでは全員で


◆みかんの花咲く丘(みかんの花が咲いている~)※山下さん独唱


◆春よ、来い(淡き光立つ俄雨~)←ユーミンのやつね。※ピアノと箏の演奏に子どもたちのダンス


◆花(春のうららの~)、花の街(七色の谷を越えて~)、春がきた(春がきた春がきた、どこにきた~)※全員




◆さくら(僕らはきっと待ってる~)←森山直太朗のやつ。※相原さんのピアノ伴奏でキッズが振り付きの歌

◆さくらさくら※箏



◆荒城の月(春高楼の~)※鶴川さんの独唱と武藤の箏伴奏


◆からたちの花(からたちの花が咲いたよ~)※山下さん独唱

◆椰子の実(名も知らぬ遠き島より~)※山下さんと鶴川さんの重唱


◆炎←鬼滅の刃の曲※ピアノと箏で


◆島唄(でいごの花が咲き~)※山下さん、鶴川さん、相原さん、武藤


皆さま、お気付きになりました?4人とも着物ですのよ。子どもたちも!タイトルが「次世代に伝えたい美しい日本の歌」ですからね!

終演後みんなで。一番左が子どもたちの踊りの振り付けをした、あらおゆりかさん。

後先になりましたが、こちらは開演前。


そうそう、この場所なのですが、中野区江古田にある「えごたいえ」。積水ハウスの大規模マンションの中の施設です。このようなフリースペースやレストラン、2階には学童クラブなどがあります。リハーサルで行った24日も、この29日も雨だったのですが、しっとりと雨に濡れた新緑がまたきれいで、とても気持ちの良い場所でした。




次回はゴールデンウィーク最終日の演奏会のご報告です。



あ、忘れてた。昨年の配信動画です。この時はヴァイオリンの「しょこたん」こと廣川抄子さんも一緒でした。どうぞご覧いただいて、ぜひ高評価を!





それでは皆さまご機嫌よう。