2024年4月22日月曜日

Kotist武藤祥圃✕Pianist小林恭子 和洋響奏vol.2

 4月7日に開催した「Kotist武藤祥圃✕Pianist小林恭子 和洋響奏vol.2」、お陰様で無事終えることができました。お越しくださった皆さま、応援してくださった皆さま、有難うございました。


会場は江東区住吉にある“ティアラこうとう”の小ホール。前回のブログに書いた新潮会勉強会と同じ会場です。舞台はどちらかというと狭めなのですが、客席が140なので「ちょうどいい」広さです。

共演の小林恭子さんは妹の友人なのですが、現在目白大学で准教授をされているピアニストです。(そのようなことで私を非常勤として目白大学に呼んでくださっています。)過去にコラボレーションコンサートを何回かやっていますが「和洋響奏」と名付けて開催するのは2回目です。ちなみに1回目は一昨年に新潟のマルタケホールで開催しました。その時の写真が↓で、今回のチラシにも使用しました。


さ、今回のご報告。

一部は「水と和」がテーマで次の3曲を。

八橋検校作曲「六段調」(箏+ピアノ)
遠藤雅夫作曲「歌声のごとあがる噴水」(箏)
宮下伸作曲 箏とピアノのための「水琴抄」(箏+ピアノ)




ちなみに。一曲目の「六段調」はピアノに編曲したものがピアノピースで出版されているので、それを基本にしています。初段はピアノのみ、二段はピアノと箏、三段は箏のみ。ここまでは箏は原曲のまま。四段からの箏は山田流の洒落弾き的なアレンジをしています。この日の演奏ではありませんが、動画がありますので、よかったらご視聴ください。


二曲目は、昨年10月に初演をさせていただいた遠藤雅夫先生の新曲。「歌声のごとあがる噴水 箏と唄のための」を独奏で。こちらも動画があります。初演時のものです。

こちらが遠藤雅夫先生。初演のリハーサルの時のものです。


休憩をはさみ、第二部のテーマは「スペインの風」で次の4曲。
ピアノと共演した曲は、全て今回が初めてご披露した曲です。

ピアソラ「天使のミロンガ」(箏+ピアノ)
グラナドス作曲「演奏会用アレグロ」(ピアノ)
ファリャ作曲「スペイン舞曲」(箏+ピアノ)
ファリャ作曲「火祭りの踊り」(箏+ピアノ)


ピアノと箏の位置が第一部と逆になっています。
これはリハーサル時です。

第一部では黒紋付を着ましたが、着物は見飽きたというお声(があったかどうかは分かりませんが)にお応えし、第二部は上下黒の洋服で。舞台での洋服は数えるほどですが、案外いいかもしれないなぁ。小林さんも衣装替えをしています!
決してラーメン屋の店主ではありませんので誤解なきようにお願い申し上げます。


そしてアンコールは滝廉太郎作曲「花」。なんといっても当日は少し遅れた桜が満開でしたので、しかも隅田川に近めの会場ですから、これ以外の選曲はあり得ませんね。急遽決定してアレンジしたわりには、いい感じにできたかな。

演奏会後は近所の大横川の桜を観ながら花見酒しました。


さてvol.3はいつやりましょうかね。




それでは皆さまご機嫌よう。



2024年2月28日水曜日

第44回新潮会勉強会

10数年ぶりの新潮会への復帰戦として挑んだ“第44回勉強会”、2月26日に終了しました!演奏したのは中能島欣一作曲の「三つの断章」


会場はティアラこうとうの小ホール(江東区)でした。


舞台に立ったり人前で演奏したりするのが好きな私ですが、「やってやろうじゃないか!」という気持ちはあったものの、今回は不安と緊張の嵐。というのは、藝大教授であった中能島欣一先生作曲の「新潮(にいじお)」に因んで命名された藝大山田流卒業生の団体「新潮会(しんちょうかい)」で、中能島先生から直接教えを受けた先輩方が多くいて、卒業生それぞれが強いこだわりと思い入れを持つ「三つの断章」を選曲してしまったのですから・・・

しかし、50歳という節目を迎えたこと、そして様々なきっかけがあって新潮会に復帰して、これから一層演奏に心を注いでいくために自分に課した“試練”なので、精一杯勉強して演奏しました。





出番前に後輩に撮られていた「楽屋をでる武藤」

同じく「舞台袖で精神統一をして出陣を待つ武藤」

そして「楽屋のモニター内の武藤」

この写真を撮ってくれていたのはこの人。通称「すみよ」こと森田博代(もりたひろより)さん。かわいい後輩です。

そしてこちらは「ごまさん」こと木村伶香能(きむられいかの)さんと。
演奏後なのでホッとしきっています、私。

このごまさんはニューヨーク在住なのですが、以前ニューヨークに呼んでくださってカーネギーホールで「新さらし」を演奏したのです。2019年3月2日だったので、ちょうど5年前です。もうそんなに前か・・・また行きたい、ニューヨーク。


終演後、「昭和酒場 黄金バット」というお店で昭和チームの打ち上げ。※平成人2名を含む( *´艸`)



とっても緊張しましたが、とっても楽しい一日でした。

次の新潮会は5月27日の第66回定期演奏会です。こちらもよろしくお願いします。





ということで、皆さまお待ちかねの番外編。

今回演奏した「三つの断章」は様々な技法が使われている曲なので、部分部分を切り取ると“おもしろ武藤”となります。いたって真面目に演奏しているんですよ。


舞台リハ時の“おもしろ武藤”




現場からは以上です。

それでは皆さまご機嫌よう。

しれーっとブログ再開しました。

2023年8月22日火曜日

祥月命日

8月22日。今日は室岡松孝師の祥月命日。

先生の芸に初めて触れたのは祖母を通して45年以上は前になるでしょう。そして直接教えを乞うたのは31年前。お稽古を通して、箏曲の素晴らしさ、山田流の格好良さ、古典芸能の奥深さに完全に目覚めさせられました。そして私にこの道で生きていく決意をさせた人生の師匠です。 

 もう18年も経ちました。 

痛切に感じます。この年齢でもう一度教えを乞いたい。

20歳のころ「あんたはまだ若いから、今から心に入るなんて無理。たくさん勉強していきなさい。」と言われました。そろそろ“心”に近づけてきているだろうか。


「この世の中楽しいことはたくさんあるのに、何も好き好んで箏なんかやらなくてもいいのに。」なんて言われたこともありましたが、それは逆説的な意味であると思っています。

その証拠に「あんたとお稽古するとスッキリする!」といつもおっしゃっていましたもの。


この間藝大の大先輩方とお食事する機会があり、久しぶりに色々お話をしまいた。芸について考えることも多く。そんなこともあり、今年の先生の命日は何か感慨深いものがあります。

山田流の演奏家で室岡松孝先生に教えを受けた方は多くいらっしゃいます。その方それぞれの中に室岡先生は今も生き続けていらっしゃるでしょうし、もちろん私もです。私の軸です。今は先生の音源だけが頼みですが、そこから多くのものを盗んで行きたいです。そして師匠に叱られぬよう、情熱をもって古典を第一に考えて精進していきたいと思います。


 1枚目は演奏会。恐らく20年以上前。

これは「乱輪舌」だったような。


これは「江の島曲」。男性のみで舞台が組めたことを喜んでいらっしゃいました。

これは、とある演奏会での記念撮影。となりは奥様。

これは某録音時。この箏は形見として私が引き継いで、大切に使わせていただいています。この箏に負けない芸を目指して!


合掌


2023年5月16日火曜日

【演奏会報告】新発田市芸能音楽祭 箏・三絃・尺八演奏会

 毎年5月の第2日曜日といえば???


母の日です。


ではありますが、私にとって5月の第2日曜日というと「新発田市芸能音楽祭 箏・三絃・尺八演奏会」の日なのであります。この演奏会は「第○○回」というのがないのではっきりしませんが、45回目くらいだと思います。なので、私の人生のほとんどの5月第2日曜はこの演奏会ということになるのです。

新発田市文化団体連合会の邦楽部門に登録している団体が出演するのですが、一番多いときは箏6団体、尺八2団体ありました。しかしながらやはり高齢化による会員減少や稽古場閉鎖などで、昨年から私たち箏曲松濤會と美すず会さんの箏2団体のみとなりました。1団体が2~3曲演奏するのですが、箏の曲というのはそれぞれで箏の音階が違うので、毎回調絃(チューニング)する必要があります。団体が多ければその時間をしっかり取れるのですが、2団体となると基本的に交互となるため、音階があまり違わない曲にして調絃時間を短縮するような工夫をしなくてはなりません。そのうえお客さんが飽きないようなプログラムにしなくてはならない・・・頭を悩ますことになります。

しかし、団体数が少ないメリットもあり、連絡が密に取れるというか、一緒に演奏会を作り上げていこう!というような一体感が生まれます。昨年の集客がコロナの影響もあり大変残念な結果だったので、今年は何か新しいことをやってなんとか邦楽人口の拡大に繋げていこう!という気概を持って企画しました。その結果、少々安易ではありますが「~和楽器でつづる日本の四季~」というテーマを設けて選曲しました。また、お客さんにも積極的に参加してもらって双方向で作り上げる演奏会という方向性を持たせるため、ワークショップも企画しました。

ということで、演奏曲は〔新年〕〔春〕〔夏〕〔秋〕〔冬〕〔新年〕〔新年〕で7曲。途中にワークショップを挟むプログラムとなりました。

まず

1.〔新年〕藤永検校作曲「八千代獅子」(美すず会)

2.〔春〕山田検校作曲「花暦」(箏曲松濤會)

江戸の桜の名所を巡ってもらいました。



3.〔夏〕中能島欣一作曲「ひぐらし」(箏曲松濤會)

ザーーーーッと降るにわか雨を表現した器楽合奏部分と、雨があがった後の景色をうたった唄部分、そして最後のひぐらしの鳴き声に“あわれ”を感じていただきました。




そしてここでワークショップです。ポスターや会場入口の看板などでも大々的にアピールしてみましたの。

まず「箏」の歴史や楽器についての豆知識、流派の話をしました。私のオリジナルテキスト!


その後、舞台の上で楽器体験。






よく考えたら、普段のぼらない舞台の上で、しかも初めて弾かされるって拷問ですよね(笑)しかし、8名の方がその“餌食”になってくださいました。ご協力ありがとうございました。

休憩を挟んで、デモンストレーションとして

4.〔秋〕中能島欣一作曲「秋静か」を独奏で。


5.〔冬〕レット・イット・ゴー~ありのままで~(美すず会)

6.〔新年〕初世中能島松声作曲「万歳」(箏曲松濤會)

新年に江戸城へ参候した三河万歳を題材にした曲で、華やかな気分になっていただきました。


7.〔新年〕山登万和作曲「松上の鶴」(合同)

演奏会の締めは、山田流箏曲を代表する祝儀曲で。


約2時間の公演でした。


来年はもっと工夫をして、さらにたくさんのお客さんに来ていただきたいものです。


それにしても、格安な年会費のみでこんなに自由に色々やらせてもらえるなんて、主催の新発田市民文化会館と新発田市文化団体連合会はすごいぞ!有難うございます。



さて、この日のお昼ご飯は、鮨「登㐂和」さんのお稲荷さん。手の込んだ大変美味なお稲荷さんでした。


色々立て込んでいたここ2か月くらいでしたが、ここから2週間はアホみたいに暇なので気が抜けたのか、この翌日(ぎりぎり昨日ですが)少々発熱。

しかし、夜アルコール消毒をしたところ、もう時間的にぎりぎりですが(ただいま23:35)本日(火曜日)は朝からすっかり平熱に戻っております。やはり酒は百薬の長であります。皆様適度な飲酒で健康を保ちましょう。


ちなみにこの演奏会、来年は5月12日ですよ~。


それでは皆さまご機嫌よう。