2022年5月25日水曜日

和楽器クラブができました!

 7年前から4年生の「総合的な学習の時間」での箏の学習の外部講師として指導に行っている新宿区立戸塚第二小学校。毎年子どたちは興味をもって積極的に授業に臨んでくれます。そして、何年か前にも一人いたのですが、昨年はかなり本気で「箏を習いたい」という児童が出て来ました。私の家までは小学校からかなり距離があって、地下鉄に乗ったり歩いたりしないといけないので、その子の家の近くの教室を検索して紹介したのです。そんなこともあったり、もっと弾きたい!という子どもたちが多いので、校長先生に「楽器も揃っているし、クラブ活動ででもできるといいんですけどね~。クラブが出来たら教えに来ますよ!」というお話をしたところ、とても喜んでくださって、「検討します。」ということでした。


そうしたら4月に入って、「和楽器クラブを作りました!」という連絡がきました。そして、昨年一昨年と教えた現在の5、6年生を中心に4年生も含めて13名の希望者がいるとのこと。一回目の活動日は行けなかったのですが、23日の2回目の活動日に行ってきました。お休みの児童がいたので9名。

「先生久しぶり~!」などと言われ有頂天になる武藤。かわゆいのぉ。(←かわいいのは子どもたちですからね)先生を紹介した子もいて、ちゃんとお稽古に通っているとのこと。山田流ではないのがちょっと残念ですが、習いたい!という子どもにとっては流派なんて関係ないですからね。とは言いつつ、絶滅危惧種の山田流を盛り上げていくためには一人でも多くの人に広めたいところですが、何がともあれいいことだ!


小学校音楽の共通教材である「春の小川」と「夕やけこやけ」を箏にアレンジした楽譜を作りそれを練習したのですが、これがまぁちょっと、基本をよく覚えていてすらすらと弾いてしまうんです。5年生は4か月ぶり、6年生は1年4か月ぶりに触るのにですよ?私の教え方が良いからなのですが(←いつもの自画自賛)、それ以上に先生方が授業外でも指導してくださること、そして授業の時に子どもたちが真剣に授業に臨んで、頑張って練習していた証拠。なんて素晴らしいことでしょう!

すっかり有頂天の武藤です。

授業の時は親指だけを使って弾けるようにアレンジしているので、今回もそうしたのですが、クラブではちゃんと3本の指を使うアレンジにしようと思います。

次は難しいから覚悟しとけ~!

10回あるクラブ活動の半分は箏、半分は他の先生がいらっしゃって太鼓だそうです。そして、最終的な目標は2月の末に3年生へのクラブ紹介での発表。楽しみです。

そして、毎年6年生が卒業していくわけですが、その子たちがずっと箏を続けられる環境を考えなきゃなぁ。家に習いにくるくらいになってくれるといいけどな~。

とりあえずは来月が楽しみです。


そして、小学校のあと、先月末コンサートがあった「えごたいえ」に行きました。というのは、当日の帰りはそこそこしっかりした雨が降っていたので、楽器を置かせていただいていたのです。天気がいい日と私の都合がいい日が合わず、この日になりました。


いつもの如くバスや地下鉄に乗せて最寄りの駅まできて、駅まで自転車できたことを思い出しました。ま、確信犯ですけど。お箏をお弾きになる方には叱られそうですが、これ、楽に運搬できますの。曲がるときは細心の注意を払いますけど。

この様子、周りに人がいないことを確かめて、コッソリ急いで撮りました。見られたら私、変な人確定ですもの。

いい子はマネしないでください。


それでは皆さまご機嫌よう。






2022年5月16日月曜日

私の真骨頂⁉の演奏会

 ゴールデンウィークにあった演奏会のご報告第3弾。

というか、この短期間に3つも演奏会があるなんて、コロナ前以来です。もう本当、色々もとに戻ってきて嬉しい限りです。昨年一昨年なんて、せっかく手帳に書いた予定を二重線消し続けた日々でしたから。

さ、ゴールデンウィークの最終日5月8日(日)です。5月の第二日曜日は、毎年これなんです。

「新発田市芸能音楽祭 箏・三絃・尺八演奏会」

会場は新発田市民文化会館のホールです。この新発田市は私の地元新潟県にあります。祖母が、昭和30年代なのでかれこれ60年以上前に当時住んでいたこの地に稽古場を開いて以来ずっと稽古場を置き、20年ほど前に私が引き継いで現在に至って稽古場があります。新発田市は城下町なので文化レベルは高く、また山田流が盛んでした。最盛期には山田流の団体が6団体(全国的な箏曲人口からすると生田流の団体がないという超レアな地域)、琴古流1団体、都山流1団体ありました。各団体2曲、先生方の曲、合同曲が2曲で、12時半開演で終演は16時半過ぎな感じ。武藤は小学生の時から出ているので、40年か( ゚Д゚)←俄かに信じがたいこの現実。

だんだんと人口が減少し、ここ数年は箏3団体、尺八1団体でやってきていました。しかしコロナ禍で2年中止。この間に山田流2団体のみとなってしまいました。これまでは1団体2曲、最後に合同曲をやっていたので10曲近くあったのですが、その方法で行くと今回は4曲だけ。これで演奏会という“体”を保てるのか?間に1曲しかなくて、次の曲の調絃をする時間は確保できるのか?色々問題点はありながらも、もうひとつの団体の方と相談し、まぁとりあえずやってみよう、ということで、3年ぶりに開催しました。

1団体3曲にし、途中で休憩時間を設けて、1時間半くらいの演奏会にはできました。出演は箏曲松濤會(←私の社中)と美すず会。

当日のプログラムは・・・

1.江の島の曲(箏曲松濤會)

2.春の光(美すず会)

3.臼の声(箏曲松濤會)

4.千鳥幻想曲(美すず会)

~休憩~

5.山里の春(美すず会)

6.須磨の嵐(箏曲松濤會)

お弟子さんたちは約3年ぶりの舞台なので、リハビリ(笑)が必要だと思い、7月に頼まれている尺八の会で演奏する曲を今回は尺八を入れずに箏だけでやろう、ということにしました。演奏曲は全て山田流箏曲の古典作品。これらは様々な先生に師事して修行してきた、そしてこれからも研鑽を積むべき私の中心にあるものです。そして次の世代に残す使命を負っているものでもあります。

当日の写真です。

まず、「江の島曲」

江の島の曲と読みます。山田流の流祖山田検校の最初の作品で、江の島へ向かう道中、そして、江の島界隈で悪行を重ねていた龍が弁財天に恋をたことを機に改心し、守り神となったという“江島神社”の縁起を唄っている曲です。二面一挺(にめんいっちょう、箏二人と三絃一人)の予定でしたが、箏を弾く予定だったお弟子さんが前々日に腰をいためてしまい、動いたり歩くのもままならないということで、急遽一面一挺で。ちなみに三絃は母です。


次は「臼の声」

明治時代に作られた曲で、元は「夏衣」という地歌を山田流化したもので、旧家にあった臼を薪にして燃やしたところ良い香りがしたので、お香として人々に配ったという話から、「うす」が付く言葉を並べて歌詞にしています。唄と唄の間奏部分はテンポのいいもので、六段調の初段を合奏する部分もあったりします。小学3年生からお稽古に来ている中学生が本格的に唄デビューしました。


そして「須磨の嵐」

源平の戦い、一の谷の合戦の話です。源氏方の熊谷直実と平家方の平敦盛の話で、熊谷が自分の息子と同年齢の敦盛の首を泣く泣く切り落とすという内容で、かなりドラマチック。この曲は当初さっきの腰を怪我したお弟子さんが三絃の予定だったのですが、そのような理由で出演できなくなったため、私が三絃にまわりました。



全て終わってから楽屋で。みんな疲れ切っていまして・・・開演前に撮ればよかった。←毎回思いながら、いつも終わってからになってしまいます。



来年は5月14日です。団体が増えるとよいのですが・・・そしてもうこれまでのような、各団体の発表だけという形式では難しいようです。お客さんを楽しませるエンタメ的な要素も必要なのかも。山田流、そして箏の格式は下げない範囲で何か考えてみましょう。


それでは皆さまご機嫌よう。

2022年5月14日土曜日

緊急告知 NHKラジオ「新日曜名作座」

 皆さまに緊急のお知らせ。

HNKラジオ第一放送、日曜日の午後7時20分~午後7時50分に「新日本名作座」という番組があります。西田敏行さんと竹下景子さんがお二人だけで様々な役を演じて物語を語るのですが、明日5月15日から向田邦子作「あ・うん」が全7回で放送されます。


詳細はこちらでチェックしてください!


登場人物の言動や考え方は現代では「?」という部分もありますが、昭和初期ですし、フィクション、物語ですので、そこはスルーして文学として純粋に楽しむことにしましょう。


主人公の娘は18歳で箏を習っています。友達に披露したり、箏に触らせたりもするでしょう。

また、主人公の夫は製薬会社の本社課長ですから、神楽坂の料亭に行って、三味線や踊りもみるでしょう。


そんな時の箏や三味線の音ですが、私が弾いていますの。

3月に渋谷のNHKの506スタジオで録音しました。



そうそう、他のスタジオでは北京オリンピックの放送をしていましたねー。そんな時期でした。

以下独り言です。

(以前は色々な先生から声をかけていただいてNHK-FMの「邦楽のひととき」「邦楽百番」などに出演していたんですけどねー。私を使ってやろう!という勇気のかる方はいらっしゃらないかしら。あ、それを待たずにオーディション受ければいいのか!)

久しぶりのNHKでした!


それはいいとして、その7回のうち、何回目に演奏の音が使われているのか分かりません。ですから、毎回お聴きください( ´艸`)



NHK ラジオ第一放送

5月15日(日)午後7時20分~午後7時50分

向田邦子「あ・うん」(全7話)


それでは皆さまご機嫌よう。



2022年5月13日金曜日

みんな着物で!森の音楽会Vol.12

 2022年のゴールデンウィークにあったコンサートのご報告シリーズ第2弾!

今日は、4月29日にあった「森の音楽会Vol.12」についてです。「次世代に伝えたい美しい日本の歌 春夏編」という副題です。

昨年の1月にYouTubeでの配信コンサートの動画を録画したのですが、その時のご縁で、また声をかけていただきました。(この動画については一番下にリンクを付けておきます!)

今回のメンバーは、ソプラノの山下尚子さん、バリトンの鶴川勝也さん、ピアノの相原郁美さん、そしてZEROキッズと森のファミリー合唱団のみなさん。このメンバーでいろいろな組み合わせで演奏を披露しました。

この日のプログラムは!

◆背くらべ(柱のきずはおととしの~)・こいのぼり(屋根より高いこいのぼり~)・鯉のぼり(甍の波と雲の波~)、茶摘み(夏も近づく八十八夜~)※ここまでは全員で


◆みかんの花咲く丘(みかんの花が咲いている~)※山下さん独唱


◆春よ、来い(淡き光立つ俄雨~)←ユーミンのやつね。※ピアノと箏の演奏に子どもたちのダンス


◆花(春のうららの~)、花の街(七色の谷を越えて~)、春がきた(春がきた春がきた、どこにきた~)※全員




◆さくら(僕らはきっと待ってる~)←森山直太朗のやつ。※相原さんのピアノ伴奏でキッズが振り付きの歌

◆さくらさくら※箏



◆荒城の月(春高楼の~)※鶴川さんの独唱と武藤の箏伴奏


◆からたちの花(からたちの花が咲いたよ~)※山下さん独唱

◆椰子の実(名も知らぬ遠き島より~)※山下さんと鶴川さんの重唱


◆炎←鬼滅の刃の曲※ピアノと箏で


◆島唄(でいごの花が咲き~)※山下さん、鶴川さん、相原さん、武藤


皆さま、お気付きになりました?4人とも着物ですのよ。子どもたちも!タイトルが「次世代に伝えたい美しい日本の歌」ですからね!

終演後みんなで。一番左が子どもたちの踊りの振り付けをした、あらおゆりかさん。

後先になりましたが、こちらは開演前。


そうそう、この場所なのですが、中野区江古田にある「えごたいえ」。積水ハウスの大規模マンションの中の施設です。このようなフリースペースやレストラン、2階には学童クラブなどがあります。リハーサルで行った24日も、この29日も雨だったのですが、しっとりと雨に濡れた新緑がまたきれいで、とても気持ちの良い場所でした。




次回はゴールデンウィーク最終日の演奏会のご報告です。



あ、忘れてた。昨年の配信動画です。この時はヴァイオリンの「しょこたん」こと廣川抄子さんも一緒でした。どうぞご覧いただいて、ぜひ高評価を!





それでは皆さまご機嫌よう。





2022年5月12日木曜日

Kotist武藤祥圃 × Pianist小林恭子「和洋響奏」終了!

 ゴールデンウィーク真っ只中の5月4日、大好評!大歓声!!大歓喜!!!大興奮!!!!のうちに「Kotist武藤祥圃×Pianist小林恭子 和洋響奏」が開催され、無事お開きとなりました。


昨年に続き出演させていただいた「マルタケホールゴールデンウィークコンサート」。昨年は、「祥圃独りにて相勤め申し候」と題して、演奏はもちろん、調絃や舞台セッティング、解説動画など、全て一人でこなし、最終曲では、動画内で三絃を弾いているバーチャル武藤と舞台上のリアル武藤が合奏をしました。

今年は、ピアノの小林恭子さんとのデュオで前半は日本の曲、後半は西洋の曲で、全8曲を演奏しました。

当日の演奏曲です。

1.八橋検校作曲/伊藤隆太ピアノ編曲「六段調」

2.中能島欣一作曲「秋静か」

3.平井康三郎作曲「幻想曲さくらさくら」

4.宮下伸作曲「箏とピアノのための『水琴抄』」

5.J.S.バッハ作曲「主よ、人の望みの喜びよ」

6.G.F.ヘンデル作曲「調子のよい鍛冶屋」

7.L.v.ベートーヴェン作曲「ピアノソナタ第14番嬰ハ短調『月光』Op.27-2より第一楽章」

8.M.ムソルグスキー作曲「組曲 展覧会の絵」


10時に会場に入って楽器の準備。今回は4面の箏を使ったので、全てに柱を立てて調絃するだけで一仕事。10時半過ぎからリハーサル開始。舞台転換の打ち合わせなどをしながらなので、終了したのが13時頃。再び4面の箏を調絃。で13時半開場。え、お昼食べたーい!着替え~!化粧ー!(これはする時間がなかった・・・)

そして開演が14時。もうバタバタの慌ただしさ。しかし、精神は目いっぱい集中して演奏しました。一応プロなのでね(;^ω^)

お客様の反応がよく、トークも控えめながら舌好調で絶好調。

あの曲もやりたい、この曲もやりたい!と欲張ったため、演奏者も聴衆も満腹でした。しかし、3,000円で8曲なので、1曲あたり375円という超お得なコンサート(笑)

邦楽の演奏会では通常アンコールはやらないのですが、今回は“別腹”をご用意しました。今回のデザートはチックコリアの「Spain」。最初にアランフェス協奏曲の冒頭をくっつけて演奏しました。8曲演奏してかなりテンションがあがっていたので、Spainはノリノリだったと思います。後日当日の録画が送られてくるので楽しみです。いや、展覧会の絵の後半くらいからハイテンションで弾いていたのでちょっと怖いかも。


概ね好評だったようで、冒頭の「大好評!大歓声!!大歓喜!!!大興奮!!!!」の記述もあながちウソではなかったようです。


終演後に小林さんと。ん?なんか違う。


こっちが正解。

この立奏台、最近購入したのですが、反響版が大きくてなかなかよろしい。ちなみに、前半は衣装が違っていて、小林さんは白系、武藤は黒紋付でした。そっちの写真はないです。

あ、自撮りはあった。いらないか。でも見たい方もいらっしゃるでしょ?
はい、どうぞ。

会場のマルタケホールはJR新潟駅の真ん前にあります。ホワイエから駅が良く見えるのですが、新潟駅は改築の真っ最中。

こちらは昨年撮ったもの。

来年が楽しみです。いや、その前に、来年も出演させてもらえるかが問題です。


このゴールデンウィークには演奏会が3か所であったので、残りの2つはまた後日に。



それでは皆さまご機嫌よう。