2023年4月29日土曜日

【演奏会報告】吉良ライオンズクラブCN60周年記念チャリティーコンサート

 今日は“昭和の日”。昭和が終わって、もう35年も経つんですよね。早いものです。今回も振り返りです。2月のことですが、もう二か月も経っています。早いもんです。

2月11日と12日、所属している“和楽器オーケストラあいおい”で愛知県西尾市にお邪魔しましてきました。今回は吉良ライオンズクラブCN60周年記念チャリティーコンサート。と書き出しつつ、やはり二か月も前になってしまったので、色々忘れてますなぁ。

まずは本番前のショットから。銘々が銘々の事をしています。ま、そりゃそうですよね。

かっこよいチラシです。


プログラムは、久石譲さんの「HANA-BI」や「Oriental Wind」、元タカラジェンヌのお三方と地元吉良中学の合唱団のみなさんと「The Sound of Musicメドレー」、古典の「都の春」など。聴いている方はもちろん、なにしろ弾いているほうも楽しいプログラム。
衣装も華やか!

そして“チーム山田”


こちらは↑の撮影風景。

この前日は移動日だったので、名古屋界隈を少々ぶらぶらしました。
11:24東京発で名古屋へ。

車内ではこんなことをしちゃいますよねー。

名古屋について、駅前のミッドランドスクエア内にあるこちらへ。

昼間っから贅沢しちまいました。





その後は熱田神宮へ。


熱田神宮といえば、山田流界隈の方はこの歌詞を思い浮かべるでしょう。

「〽熱田の社、伏し拝み」

これは、日野俊基が幕府転覆の企ての罪で関東へ連行される道行を題材にした山田流の名曲「雨夜(うや)の月」の中の一節です。

ということでお約束の伏し拝み。


ということで、楽しい遠足でした。


それでは皆さまご機嫌よう。








2023年4月14日金曜日

【演奏会報告】横山佳世子の邦楽サロンVol.28

 一旦書き始めると立て続けに書いて、飽きると全く書かなくなる(いや、飽きてる訳ではないです)私のブログ“武藤祥圃の隠れ家”へようこそ。やはり発信していかないと忘れ去られちゃいますからね(;^ω^)最新情報に加えて、振り返って過去のことも書いていこうと思います。


さて、3月に大阪府茨木市で生田流箏曲横山佳世子さんの演奏会があり、お邪魔してきました。横山さんと初めてご一緒したのは「横山佳世子の邦楽サロン」の2回目で、実に9年前のこと。それ以来の共演です。そして今回は28回目で、同じく生田流の澤村祐司さんも一緒でした。ちなみに澤村さんは1回目のゲストだったそうです。


こう見るとありふれたごく普通の記念写真に見えますが、実は横山さん、以前事故にあい足首を骨折。当時「もう正座はできない。」とお医者さんに言われ、好きな古典をきちんと出来ないのか、と絶望。しかしそこが横山さんの強いところ。治療とリハビリに励み、ご覧の通りなんの苦労もなかったかのように正座している訳です。今回は正座ができるようになった記念、地歌復帰記念として、がっつり古典の三味線をやりたいということで企画されたものだったのです。
ただ、がっつり古典といっても、箏好きな人や古典好きな人向けという訳でなく、箏なんて聴いたことがない、古典はちょっと苦手という人をファンにさせようというもの。箏を知らない人に向けて演奏する時は、とかく“易しい曲を”とか、“みんなが知っている曲を”とか、“流行っている曲を”などとなるのですが、横山さんも私もそれには反対の立場です。箏のファンや古典のファンが少ないと嘆くのは簡単ですが、裏を返せば、好きにさせるような演奏、企画をする努力を怠っているだけなのです。その努力を続けることが聴衆を育て、ファン層を厚くし、古典を盛り上げることに繋がるのです。

ヤバい、アツくなってきたので一旦終了。

いやいや、我々こと箏のことや古典のことになるとアツいんです。
今回のタイトルも「究極の手事物ー現代(いま)さらにアツい!」でした。


会場は茨木市市民総合センターのセンターホール。とても良い天気。

私が演奏したのは、「笹の露」。別名「酒」ともいわれる地歌手事物の名曲です。私は箏、横山さんが三味線。

歌詞の一部を・・・
〽酒は量りなしと宣いし聖人は、上戸にやましましけん、三十六の失ありと諫め給いし仏は、下戸にやおわすらん~

〽劉伯倫や李太白、酒を呑まねばただの人、吉野竜田の花紅葉、酒がなければただのとこ、よいよいよいのよいやさ。

ちょっとよく分からないですよね。しかしですよ、ここに( )で現代語訳を付けたとしましょう。 

〽酒は量りなしと宣いし聖人は、上戸にやましましけん、三十六の失ありと諫め給いし仏は、下戸にやおわすらん。
(酒は飲み始めると際限がないといった孔子は上戸だったのだろう。酒を呑むと三十六の過失を生ずると諫めた釈迦は下戸であったに違いない)

〽劉伯倫や李太白、酒を呑まねばただの人、吉野竜田の花紅葉、酒がなければただのとこ、よいよいよいのよいやさ。
(劉伯倫や李白も酒を呑まなければ平凡な人であっただろう。吉野の桜、竜田の紅葉も酒がなければ風情のない平凡な場所にすぎない。よいよいよいのよいやさ。)

一気に親近感が沸き、大昔の歌詞なのに現代の酒飲みでも言いそうなことで面白くないですか?

そういうことなんですよ。そして、曲の聴きどころをあらかじめ説明する。これをよどみなく、たまに笑いを交えながら話すというスキルを身につけなきゃいけないんです。その努力なしに、古典をやっても興味をもってもらえないし・・・とか、難しすぎて分かってもらえない・・・なんて言ってはいけないんです。

あらま、またアツくなっちゃった。

話を戻し、今回はこれをスクリーンで説明しながら演奏するという流れでした。そして、「ここが箏と三味線でのアツいバトルなんだ!」という場所をはっきりさせて、聴衆をその気にさせるという工夫でした。これは澤村さんと横山さんの「八重衣」のリハーサル。向かって左に字幕が出るのです。

「笹の露」「八重衣」ときて、最後は「吾妻(東)獅子」。箏は私。澤村さんが三味線本手、横山さんが三味線替手。同じ曲なのに、お二人の生田流と私の山田流で寸法や緩急が違うのです。不思議ですよね。ま、三味線が主で箏はあくまでも従で装飾的という生田流と、箏が主導権を握り、三味線はそれに従って付いていくという山田流の演奏スタイルの違いがそうさせているのでしょうけれど、今回は生田流のスタイルを重視しつつ、山田流の切れ味の良い洒落弾きも弾いて曲にスパイスを与えるといった感じでした。
これは本番です。この企画の主催である(公財)茨木市文化振興財団さんのTwitterからお借りしました。

3曲演奏したのちに、我々が客席にいき「地歌をオワコンにさせないためには・・・」※オワコン:終わったコンテンツ(旬が過ぎて人気がなくなった作品を揶揄する言葉)という座談会的な企画もあり、三者三様のアツい思いを話し、また、お客様からの質問や要望をうかがいました。



舞台に人がたくさんいますが、話をしつつ、楽器を近くで見たい人、触ってみたい人、写真を撮りたい人は、どうぞ舞台に上がってください。という企画。
本来日本の芸能はお座敷で演じられるもので、演者と聴衆は近いところにいた訳です。お互いの息を感じられる訳です。現代のように舞台での演奏だとしても、そういうこちら側のそういう意気込みが大切だし、こういう触れ合いも演奏や演者、聴衆にとってその日のことを印象深いものにしますよね。
この邦楽サロンは通常はお客様も舞台に上がって、そこで間近で演奏を聴くスタイルだそうで、まさに息を感じる企画ですよね。

私も再開しなきゃな。


ここからは当日の写真アラカルトです。

①舞台から客席を臨む

②楽屋

③盗撮風の自撮り

➃打ち上げのお店「はなせ」。お料理すべて美味なり。 

➄“量りなし”のビール。はなせ編。

➅“量りなり”のビール。帰りの新幹線編。

よいよいよいのよいやさ。


それでは皆さまご機嫌よう。










2023年4月12日水曜日

【演奏会報告】竹峯会 第49回尺八演奏会

 昨年あたりから演奏会などが復活してきましたが、今年はほぼ元通りになりそうです。いいことです。

4月9日(日)、琴古流尺八の竹峯会(宗家竹友社系)の尺八演奏会でした。会場は西新潟市民会館のホール。毎年4月の第二日曜日の開催ですが、2年間中止になって、昨年は7月に延期だったので、この時期に開催されるのは本当に久しぶりでした。ただ例年と違うことは二つ。終演後の宴会がないことと、桜が散ってしまっていること。いつも竹峯会の時は満開の桜なのですが、今年は早かったですね。すっかり散っていました。

今年の箏曲松濤會の出演者はこの8名。今回は疲れ果ててしまう前に!と開演前に撮りました(笑)

そして、演奏曲は「鐘ケ岬」「松上の鶴」「桜狩」の三曲。この三曲(3曲)を三曲(箏・三絃・尺八)合奏したわけです。

※ここはクスッとしていただく箇所ですので、よろしくお願い申し上げます。

さ、まずは超クールなプログラムの表紙を。



そして、プログラム2番「鐘ケ岬」。箏の奏者が変な姿勢ですが、これは摺り爪の途中です。おそらく〽是生滅法と響くなり~のあたりでしょう。分かる人には分かっていただけるかと思います。


そして、プログラム5番「松上の鶴」。三絃は前々日に急に出演できなくなっってしまったお弟子さんの代演で母が急遽舞台に乗りました。


そしてプログラム11番。当日の演奏会の最後の曲「桜狩」。尺八は竹峯会会長の増井峯庸師。箏も年季の入った安定のメンバーです。今回は皆さん気合いが入って、また曲を本当に理解して弾いていることが伝わってきたので、私自身無心で演奏できました。そして以心伝心でまとまった演奏ができたのではないかと思っています。(録音を聴いてないので実は違ってたりして(笑))いや、そんなことはないはず!


普段の稽古の時もそうですが、演奏会前の合奏練習になると私は人一倍気合いを揃えることにはうるさく、厳しくなります。お弟子さんはそのプレッシャーがある上に、賛助出演で、しかも一人で唄う部分があり・・・と、おそらく寿命が縮む思いで弾いていると思いますが、全員が確実に次のステップに進めた演奏会になったと思います。
ここまで書くと手前味噌な感じですが、ここ数年舞台の経験が極端に減ったこともあって、今回特にそれを感じることができたのだと思います。

次に箏曲松濤會で出る演奏会は来月のこれです。

新発田市芸能音楽祭。詳細はまたお知らせしますね!



それでは皆さまご機嫌よう。