2011年10月13日木曜日

【告知】 第10回内の倉ダムコンサート

10月の半ばになり、秋本番です。読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋、そして芸術の秋。
各地で演奏会もたくさん行われています。そこで、今回は私が出演する演奏会のご案内です。
ただ、演奏会と言ってもホールで行われるものではなく、なんとダムの中で行われます。

第10回 内の倉ダムコンサート

平成23年10月22日(土) 午後1時半開演(開場は1時間前)
参加費 500円

申し込みは9月26日から始まっていて、先着100名です。

申し込み方法・詳細は↓
http://www.pref.niigata.lg.jp/shibata_kikaku/1316984500414.html


新潟県新発田(しばた)市に「内の倉ダム」といダムがあります。このダムは、「中空重力式コンクリートダム」といって、内部が空洞になっていてるのですが、その巨大な吹き抜け状のダム内でコンサートをしようというのです。

新発田市議会議員で建設業を営む若月学氏が代表を務める「ダムを奏でる会」が主催する“内の倉ダムコンサート”。今回が10回目だそうです。新聞で出演者募集の記事を見つけ申し込んだところ、OKをいただきました。

先日下見に行って音を出してみたのですが、なんとも不思議な気分になりました。残響音がかなり長く続き、まるで音のシャワーを浴びているようです。巨大な教会で弾いているような、とても神秘的で、どことなく神聖な気分になれました。

さて、そんな珍しい環境の会場で何を演奏しようか・・・

いろいろ考えた結果、自作の「時空(とき)の旅人」と、光崎検校作曲で、玄宗皇帝と楊貴妃を題材にした「秋風の曲」 に決めました。

「時空の旅人」は、平成17年に作曲した箏独奏曲です。
この世の全ての事柄は“時間”と“空間”の中で起こっています。この“時空”の中で、生まれ、育ち、盛りを迎え、衰え消えて、また生まれ変わります。これは、どうやっても逃れられない流れです。
私たちは何に操られて生きているのか。はたまた生かされているのか。“時空”を操っているものとは、一体何なのか。そもそもこの“時空”を擁する“宇宙”を操っているものは何なのか。天なのか?神なのか?それならば、その天とは何か?その神はどこにいるのか?いずれにしても我々の目には見えないものです。それは、“心”なのかもしれない。“心”に違いない。
このとりとめもない妄想と、逃れられない宿命ともいえる永遠の流れを音で表現してみました。

「秋風の曲」は、19世紀の前半に活躍した箏曲家である光崎検校が作曲しました。
内容は、白楽天の『長恨歌』の自由訳で、楊貴妃が玄宗皇帝の寵愛を受けた事、楊貴妃が馬嵬で亡くなった事、楊貴妃亡き後の玄宗皇帝の悲嘆が描かれています。
“秋風調子”という、この曲のみに使われる調弦(チューニング)で、前半は六段の調と同じ拍数の長い箏のみの前奏、後半は江戸時代初期の組歌の形式を模しての歌曲となっています。

〔詞章〕

一 求むれど得難きは、色になんありける、さりとては楊家のめこそ、妙なるものぞかし。

二 雲のびんづら、花のかほ、げに海棠のねむりとや、大君のはなれもやらで眺めあかしぬ。

三 緑の花のゆきつもどりつ、いかにせん、今日九重にひきかへて、旅寝の空の秋風。

四 霓装羽衣げいしよういの仙楽も、馬嵬ばかいの夕べに、ひづめの塵を吹く風の、音のみ残る悲しさ。

五 西の宮、南の園は秋草の露しげく、落つる木の葉のきざはし、積れど誰かはらはん。

六 鴛鴦えんおうの瓦は、霜の花匂ほふらし、翡翠のふすま、ひとりきて、などか夢を結ばん。

今回のこのコンサート、私の他には、マンドリンとコーラスの「ありたま」・ポップスの「ザ・ウドニーズ」が出演します。
どうぞお出かけください。



武藤松圃HP
http://www.symphonic-net.com/mutoshowho/

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