ゴールデンウィークにあった演奏会のご報告第3弾。
というか、この短期間に3つも演奏会があるなんて、コロナ前以来です。もう本当、色々もとに戻ってきて嬉しい限りです。昨年一昨年なんて、せっかく手帳に書いた予定を二重線消し続けた日々でしたから。
さ、ゴールデンウィークの最終日5月8日(日)です。5月の第二日曜日は、毎年これなんです。
「新発田市芸能音楽祭 箏・三絃・尺八演奏会」
会場は新発田市民文化会館のホールです。この新発田市は私の地元新潟県にあります。祖母が、昭和30年代なのでかれこれ60年以上前に当時住んでいたこの地に稽古場を開いて以来ずっと稽古場を置き、20年ほど前に私が引き継いで現在に至って稽古場があります。新発田市は城下町なので文化レベルは高く、また山田流が盛んでした。最盛期には山田流の団体が6団体(全国的な箏曲人口からすると生田流の団体がないという超レアな地域)、琴古流1団体、都山流1団体ありました。各団体2曲、先生方の曲、合同曲が2曲で、12時半開演で終演は16時半過ぎな感じ。武藤は小学生の時から出ているので、40年か( ゚Д゚)←俄かに信じがたいこの現実。
だんだんと人口が減少し、ここ数年は箏3団体、尺八1団体でやってきていました。しかしコロナ禍で2年中止。この間に山田流2団体のみとなってしまいました。これまでは1団体2曲、最後に合同曲をやっていたので10曲近くあったのですが、その方法で行くと今回は4曲だけ。これで演奏会という“体”を保てるのか?間に1曲しかなくて、次の曲の調絃をする時間は確保できるのか?色々問題点はありながらも、もうひとつの団体の方と相談し、まぁとりあえずやってみよう、ということで、3年ぶりに開催しました。
1団体3曲にし、途中で休憩時間を設けて、1時間半くらいの演奏会にはできました。出演は箏曲松濤會(←私の社中)と美すず会。
当日のプログラムは・・・
1.江の島の曲(箏曲松濤會)
2.春の光(美すず会)
3.臼の声(箏曲松濤會)
4.千鳥幻想曲(美すず会)
~休憩~
5.山里の春(美すず会)
6.須磨の嵐(箏曲松濤會)
お弟子さんたちは約3年ぶりの舞台なので、リハビリ(笑)が必要だと思い、7月に頼まれている尺八の会で演奏する曲を今回は尺八を入れずに箏だけでやろう、ということにしました。演奏曲は全て山田流箏曲の古典作品。これらは様々な先生に師事して修行してきた、そしてこれからも研鑽を積むべき私の中心にあるものです。そして次の世代に残す使命を負っているものでもあります。
当日の写真です。
まず、「江の島曲」
江の島の曲と読みます。山田流の流祖山田検校の最初の作品で、江の島へ向かう道中、そして、江の島界隈で悪行を重ねていた龍が弁財天に恋をたことを機に改心し、守り神となったという“江島神社”の縁起を唄っている曲です。二面一挺(にめんいっちょう、箏二人と三絃一人)の予定でしたが、箏を弾く予定だったお弟子さんが前々日に腰をいためてしまい、動いたり歩くのもままならないということで、急遽一面一挺で。ちなみに三絃は母です。
次は「臼の声」
明治時代に作られた曲で、元は「夏衣」という地歌を山田流化したもので、旧家にあった臼を薪にして燃やしたところ良い香りがしたので、お香として人々に配ったという話から、「うす」が付く言葉を並べて歌詞にしています。唄と唄の間奏部分はテンポのいいもので、六段調の初段を合奏する部分もあったりします。小学3年生からお稽古に来ている中学生が本格的に唄デビューしました。
そして「須磨の嵐」
源平の戦い、一の谷の合戦の話です。源氏方の熊谷直実と平家方の平敦盛の話で、熊谷が自分の息子と同年齢の敦盛の首を泣く泣く切り落とすという内容で、かなりドラマチック。この曲は当初さっきの腰を怪我したお弟子さんが三絃の予定だったのですが、そのような理由で出演できなくなったため、私が三絃にまわりました。
全て終わってから楽屋で。みんな疲れ切っていまして・・・開演前に撮ればよかった。←毎回思いながら、いつも終わってからになってしまいます。
それでは皆さまご機嫌よう。
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