2020年5月16日土曜日

【令和元年回顧録】国民文化祭「邦楽の祭典」

今は昔、「邦楽の祭典」といふ演奏会が開かれし頃の話なり。
と言ったって去年の話ですけどね。ただ、かなり規模の大きい演奏会で、少なからず私も力を尽くした演奏会であったのに、ついついブログで書いていなかったので、今更ながらご報告を・・・

ちなみに国民文化祭や邦楽の祭典の概要については↓に書いていたので、ご参考にお読みください。
国民文化祭、邦楽の祭典とは?

文化団体が主催する事業ということで、私が所属している新潟県邦楽連盟が企画・運営の中心的な役割を担うことになりました。そして私がこの祭典の事務局長を任されました。ということで、開催の2年くらい前から邦楽の祭典の基本構想(新潟大会のコンセプト)の立案、前年には新潟県や新潟市(行政)と開催規模や開催地の交渉や募集要項の作成、委嘱作品の依頼、新潟市実行委員会の立ち上げの総会↓
平成30(2018)年11月1日

そしてその年になってからは、県の広報番組に出演したり(実家の稽古場です)、

全国の出演団体との事務的なやり取り、演奏会を開催するにあたっての事務的なこと(音響や照明会社、会場打ち合わせ、印刷物の手配、タイムスケジュール作成)などなど怒涛のごとく時間が過ぎました。この演奏会が終わってずいぶん経つので、すっかり苦労を忘れていましたが、ストレスで寿命は縮まったことは確かだな(笑)

そんな荒波を乗り越えて当日。

令和元年10月20日。
午前11時に開演し、終演は午後6時。
会場は新潟県民会館大ホール。邦楽の演奏会としては珍しく(笑)、人が入りました。驚いたのは当日券が100枚も出たこと。約600人のお客様にご来場いただきました。

せっかくですから、出演団体を全てご紹介しましょう。

1.新潟市ジュニア邦楽合奏団(新潟県)
2.箏曲 正絃社(愛知県)
3.取手市文化連盟 水野箏曲会(茨城県)
4.一絃琴一遙会(香川県)
5.邦楽グループKAMO(広島県)
6.秋田県三曲連盟(秋田県)
7.岐阜県尺八こども教室(岐阜県三曲連合会)(岐阜県)
8.胡弓の会「しらべ」(東京都)
9.新潟県高等学校文化連盟日本音楽部門(新潟県)
10.鳥取邦楽会(鳥取県)
11.やまなし邦楽合奏団「響鳴」(山梨県)
12.NPO法人ドルチェ邦楽合奏団(千葉県)
13.箏道音楽院四国支部内田社中(徳島県)
14.新潟市琵琶楽協会(新潟県)
15.生田流正派絲音会(富山県)
16.山形県大正琴・文化箏愛好会(山形県)
17.新潟市三曲連盟(新潟県)
18.富山県邦楽協会(富山県)
19.愛媛琵琶会(愛媛県)
20.群馬三曲協会(群馬県)

21.新潟県邦楽連盟(新潟県)
※新潟県邦楽連盟は2曲演奏しています。

全22曲でした。
この中で、我々が全国の方向けに企画した曲を2つ。
まず一つは、新潟市ジュニア邦楽合奏団。小中高校生が団員の合奏団です。祭典のオープニングを飾っていただきました。

もう一つは、県内の高校の箏曲部の生徒が合同で演奏した「六段の調」。
全員が集まって練習する機会は前日のリハーサルだけなので、あらかじめ私の見本演奏を録音したCDを各学校にお送りして、それに合わせて練習してもらいました。
普段の部活では、ほとんどがいわゆる現代曲をやっている訳ですが、そういう高校生に、箏の基本、六段を弾いてもらう、というのがポイントでした!
前日のリハーサルでは、「え、実は何度か合奏練習したんじゃないの?」というくらいの仕上がり。若いというのは素晴らしい。「他の人と合わせよう」という意識が強いのと、そしてズレを修正する神経の反応が速いのだと思います。
この「みんなで合わせよう」という意識。これはとても大切で、合奏の基本の基でありながら、大人数で合奏する時は本当に大変なんです。


そして中で私が出演したのは3曲です。
演奏順にご紹介すると、まず今回の祭典のために、作曲家の小西奈雅子先生にお願いして作っていただいた、
「望郷」~會津八一の歌による~
新潟県邦楽連盟の中で演奏家として活動している会員を中心としたメンバーで演奏しました。パートは箏二部、三絃、十七絃、尺八で、會津八一の七つの和歌を歌詞にした組曲でした。


続いては、三ツ橋勾当作曲「松竹梅」です。これは新潟市三曲連盟として出演しました。
山田流が箏、生田流が低音の箏、生田流が三絃、そして琴古流と都山流の尺八による合奏です。約60名での合奏。流派が違うと曲のノリ(運び方)や拍数が微妙に違いますが、何回か合奏をしてなんとかまとまりました。この人数で特に古典曲をやる、というのはなかなか圧巻です。これができるというのが、今の新潟市三曲連盟の強みであり、目指す方向です。10年近く様々な曲の流派を超越した大合奏に取り組んでいます。

絶滅危惧種の山田流が真ん中に固まる、という珍しい光景です(笑)

 そして下手の袖からのアングル。なかなかいいですよね!

尺八も壮観です。

もう一つは、新潟県邦楽連盟として出演した野村正峰作曲「編曲長唄越後獅子」
県の連盟の演奏会は、他の地域もそうだと思いますが、各社中(団体)ごとの演奏を発表しますが、この邦楽の祭典を見据えて2年前から全体での合奏に取り組みました。これは連盟として初めての試みでしたが、会員の皆さんからはおおむね好評だったようです。
これは約80名。舞台めいっぱいでした。

第一箏のタテ(主奏者)の私と第二箏のタテの池田聡子先生がこの近さ。ほぼ箏同士がくっついています(笑)

全体を見てもこの通り。



この曲がトリで、めでたく終演しました。

私、演奏する場数はかなり積んでいますが、企画運営という点においては素人です。
こんな私を支えてくださった、新潟県邦楽連盟、新潟市三曲連盟の皆さん、この舞台の進行を見事にこなしてくださった楽器店さん(東京4軒、新潟2軒)、楽器店の補助として精力的に働いてくれた新潟大学の愛すべき学生たち、また、この祭典に係わってくださった全ての方々、そして、全国各地からご出演いただいた方に感謝申し上げます。

皆さんの力が結集して、大きなトラブルがなく全国規模のこの演奏会を終えることができました。

有難うございました!

そして、これをなぜ、演奏会が終わってすぐに書かなかったのか・・・
呆れるばかりです。。。

ま、それが私のいいところ(笑)
いや、反省します。

今年の国民文化祭は宮崎県ですが、宮崎の関係者の方々は落ち着かないでしょうね。開催できるのか、できないのか・・・お察しします。

それでは皆さまご機嫌よう。

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