2020年5月5日火曜日

【箏のこと】第三回 こどもの日なので“柏◯”

今日は「こどもの日」。端午の節句です。年に五つある節句の一つですね。

1月7日 七草の節句
3月3日 桃の節句
5月5日 端午の節句
7月7日 七夕
9月9日 重陽の節句

ここで面白いのは、節句のある月や日がすべて奇数であること。
日本の文化と奇数はとても興味深い繋がりがあるのですが、それはまたいつか。


さて、端午の節句と言えば?

こいのぼりに兜飾り、しょうぶ湯。そして・・・


柏餅

あんこの入った上新粉のお餅、それを包んだ柏の葉。なんとも美味しいです。


箏には、そんな“柏”にちなんだ部分があります。

「柏葉(かしわば)」です。

箏の尻尾のほう。ここの部分です。

家にある箏を見たところ7パターンありましたので一面ずつ見ていきましょう。(箏を数える単位は「面」と言います。)

まず最もシンプルなもの。この赤い布の下の部分を柏葉と言います。
「柏葉」も「四分六板(しぶろくばん)」も「雲角(うんかく)」も装飾がなくシンプルで、「ベタ巻」と言われる箏です。

ここで新しい言葉のご説明、四分六板はここのコト。

で、雲角はここのコト。

次の箏です。これもいわゆる「ベタ巻」ではありますが、くり甲(これについては別の機会に説明します)なので上の箏より上等です。柏葉の板に厚みがあります。

そして次。これも柏葉はシンプルですが、「雲角」の部分に縁取りがしてあります。こういう箏は「角巻(かくまき)」と言われます。

 ちなみに、柏葉は装飾がないものの、雲角と四分六板の両方に縁取りがしてある箏は「半上角巻(はんうわづのまき)」と言います。

さて次の箏です。ここからは雲角、四分六板、柏葉の全てが縁取りしてあり「上角巻(うわづのまき)」と言われる箏です。この箏の面白いところは、柏葉の中にも象牙の細工があるところ。おしゃれです。
 

この箏は、雲角、四分六板、柏葉の縁取りが凝っていて「玉縁(たまぶち)」と言われます。縁取りの部分が盛り上がっています。

ちょっと分かりづらいかなぁ。


実はこの箏は私にとって一番大切な楽器です。というのは、私をこの道に目覚めさせた最も尊敬する師匠である室岡松孝(むろおかしょうこう)師の形見の箏なのです。愛用させていただいています。とある実験のDVDに先生がこの箏を弾いていらっしゃるものがあったので、それを撮影してみました。懐かしい・・・もっとたくさん教わりたかった・・・


少々話がズレますが、私もこのとある実験に参加していまして、その時の様子がこちら。今から19年前(笑)

ここまでは、柏葉が板状につくられている箏でした。

そしてまだあります。
板状でなく、縁で作ってある「透かし作り」という柏葉です。
玉縁で透かし作りの柏葉の箏を二種類どうぞ。



お楽しみいただけましたか?

箏にも様々な顔があり、個性がありますんですよ。
そしてやはり、箏職人さんの技がひかります!

のちほど柏餅を買ってこようと思います。

なぜなら、今日の私の運勢は・・・
「ちまきや柏餅でパワーチャージ」なんですもの(笑)

「ちまき」は一昨日実家から田中屋本店さんの美味しいものが届いたので食べましたが、柏餅も食べてパワーチャージします。


それでは皆さまご機嫌よう。


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