今日お見せするところは・・・
ここ!
箏の裏です。何事も目に見えている表の部分だけ見ていてはいけません。表舞台に立つ人が輝くためには、多くの裏方さんが必要です。
何か主張するにも、裏付けがなくては説得力はありません。
箏が綺麗な音を出すのは、この裏側の仕組みがあるからなのです。
(私、なんかいい事言っているんじゃないか?ま、箏だけにね。寒っ)
前も書きましたが、箏の本体は桐の木です。ただの分厚い板っきれではなく、中は刳りぬいてあります。まぁ、“箱”みたいになっています。
そして裏板の上下二か所に穴が開いていて、そこから箏の中で反響した音が出てくるんですよ。
まずは、この箏の「裏の顔」をいくつかご覧ください。
「うわわわぁーーあ(^Д^)」ってな感じでしょ?
もしくは、「食べちゃうぞーーー!」
ちょっとほっこりします(笑)
もっと奥まで覗いてみようか。
ちなみに↑の楽器は祖母のものなのですが、「いまむら かがい」(←どういう方かご存知の方がいらっしゃったらご教示ください。)という箏職人が作ったもので、署名と焼き印があります。
もとに戻ってもう一つ。
歯のように見えるのは、表に張ってある絃を「龍眼」(こんどお見せします)から通して、円柱状の筒のようなものに結び付けて、ひっかけて止めてあるものです。
いかがですか?
ちょっと歯医者さんになった気分(笑)
まさに「口」ですよね。
その口の中をよく見てみると、山型の細工があるのがお分かりになりますか?
綾杉掘りと言います。実のところはどうなのか疑問はありますが、これが細かければ細かいほど音が反響すると言われています。三味線の胴(下部の皮が張ってある四角い部分)の中にもあるんですよ。
一般的に言う、いわゆる「いい楽器」にはこれがあります。
※ただしこれがないからと言って、「悪い楽器」ということではないので予め申し上げておきます。
上と重複するのもありますが、分かり易い画像をもう一度。
∧∧∧∧∧的なものが綾杉掘りです。
こちらは綾杉が二重です。「子持ち綾杉」と言います。
三重になると「孫持ち綾杉」と言うと聞いたことがありますが、私が持っている楽器の中にはありません。
ないものは「すだれ掘り」などと言って、彫刻刀で真っすぐ掘ったようになっています。
ちょっと見にくいかな。
学校教育用の、舞台演奏用ではない楽器には、このすだれ掘りもないものがあります。
これを見ると、前回の【箏のこと】でご紹介した、「箏は美術品」というのに加えて、箏作りの職人さんの技術力が詰まっているのがわかりますね。
この職人さんの「技」、演奏家の「技」そして、箏曲という音楽が絶えないように発信していかなければならない、と強く思うのです。
箏曲界のお偉い先生方、政治ばかりしている場合ではないですよ。
最後はちょびっと辛口で。
それでは皆さまご機嫌よう。
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